東京国立博物館表慶館で行われた2007年「新日本様式」100選展の『時かけ』の展示の模様と、ついでに回った本館の様子。(2007.12.15)
加筆(2008.4.7)
追記(2010.1.31)
ミュージアムビュー追記(2013.7.2)
『時かけ』は2007年度「新日本様式」100選の製品の一つとして選ばれた(J100)。「新日本様式」は、日本の伝統文化の要素を含みつつも、先端的で国際競争力も期待できる現代の「メイド・イン・ジャパン」製品に与えられるブランドで、経済産業省が音頭を取って始めたもの(詳しくはこちらの公式ページ参照)。基本的に各会員企業から応募されてきた自社製品の中から審査員により選出される。『時かけ』は会員である角川グループが応募したというわけ。
その2007年度の「新日本様式」100選として選ばれた製品をすべて展示するというのが「新日本様式」100選展。この前日の11月27日から表慶館2階(イベント用スペース?)で開催していた。
時かけだけを見れば大した展示ではないが、一応内容が視聴できるようになっていた。
あくまでも日本的な独自性と伝統の要素がなければ選定対象にならないわけで、3枚目の解説ボードでは、日本的な「アニメ」であることと、作画がCG処理のほとんどない手仕事であった点が強調されている。アニメで国際競争力を高めていこうというのは昨今の国策だから、選定にあたってはその点も有利に働いただろう。
もっとも、2007年度は推薦総数が161件、選ばれたのは63点だから、「合格率」は約40%とそう難関だったというわけでもない。100選というわりに選ばれたのが63点しかないのは、おそらく当初想定したほど応募が集まらなかったということなのだろう。そもそも応募権を持つ会員企業自体があまり多くない。多分、本来ならもっと合格率も低いハズだったのではないか。
選定された製品には「J」のロゴを付けることができるというのが一つの特典だが、今のところ角川グループなどが『時かけ』とともにこのマークを表示しているところを見たことはない。
まだ開始から2年しか経っていないということはあるが、これらは企業側が「新日本様式」をまだあまり重視していないことの表れのようにも感じられ、その未来が少々心配ではある。(2010年追記: 危惧していたとおり、その後平成20年度いっぱいで解散してしまった。)
ただ、角川グループが数多ある自社グループのコンテンツの中から敢えて『時かけ』を推薦したということは、同グループが『時かけ』に特別な思いを抱いているらしいことの表れだとは言えるかも知れない。
時かけ本編に出てきたのは本館。
この日(11/28)は平成館のほうで大人気の「大徳川展」が開催されていたせいか、人が多かった。
正面から。本編の絵は上野公園まで離れて噴水を入れて撮影したものが元になっているようなので、この写真とはやや違う。
和子の下りてきた階段。実は1階にあるので、その後正面階段の上から下りてくるシーンに繋がるのは本当は辻褄が合っていない。
展示室。写真だと狭そうだが実際にはかなり奥行きがある。また、撮影したデジカメの癖で明るく写っているが、実際の見た目はもっと暗い。
追記: 2012年より、館内がGoogle Cultural Instituteのミュージアムビューやストリートビューで見られるようになっている。