「アクション」2008/11/18号掲載分の森下裕美作『大阪ハムレット』第14回「テレパシー」、結構いい出来でしたが、視点(語り手)がフラフラしすぎではないでしょうか。一般論としては、別に視点を一人に固定しないと物語が成り立たないというわけでもないのではありますが、この話の内容では社長の視点に固定して話を進めていった方がよかったと思うのですが。その問題が顕著に表れているのが前編の最後で、ここは読者が社長と一緒にゾッとしないといけないところですが、物語冒頭が妻の視点で語られていて、妻があきらめの境地にあることが明らかになってしまっているために、そのようになっていません。
『大阪ハムレット』
コメントを残す