[S26]~[S61] 風呂で「なんだろこれ……きゅう…じゅう…?」まで
Q2.S26.1 2度目の7月13日の朝のシーン[S26]で、母から桃を持って行くよう頼まれなかったのはなぜか。
A 物語世界に閉じた説明としては、母は (1)真琴が出るのが早かったので、夫や美雪の朝食の準備などに忙しく、頼むのを忘れた (2) この日は真琴は徒歩で家を出るので、重い桃を持たせるのは負担が大きすぎると考えた などが考えられる。
ストーリーの都合上は、この日は和子のところに桃でなくアテスウェイのケーキを持って行かせたかったのだろう。
Q2.S26.2 [S26]で真琴は早朝に家を出ているが、この日はどうして寝坊しなかったのか。
A (1)[S25]の12日の自宅から直接この13日の早朝にタイムリープしたからと考える立場 (2)一旦寝坊はしたがタイムリープで早朝に戻ったからと考える立場 のいずれも考えられる。[S38-4]で真琴が「朝も二度寝三度寝できるし…」と言っていることから、一応[時間軸]では(2)の立場に拠った。
Q2.S27.1 2度目の7月13日の朝のシーン[S27]では踏切を通った様子がないが。
A 本編冒頭[S4]などで通学の際に踏切を渡っているということは、倉野瀬高校は紺野家から見て線路の向こう側にあるわけであり[倉野瀬図]、したがって(余程大回りしない限り)どこかで線路を越えないと学校にたどり着けないはずであるが、さすがにあのような経験の後では踏切を渡る気がしなかったのだろう。立体交差の道を通ったのではないか。モデルとなった中井の街では、中井商友会の通りの脇で山手通りが西武新宿線と立体交差している。道の雰囲気としては並木こそないが[S27-2]が近い。
Q2.S27.2 [S27]で道行く人々に挨拶する様子にはなにか見覚えがある。
A [大林版]の冒頭にある同様なシーンのオマージュかも知れない。
Q2.S30.1 2度目の調理実習[S30]で真琴が高瀬に代わってもらったグループで作ることになった料理は。
A トンカツ[S7-1]。キャベツの半分はフライになってしまったが。
Q2.S33.1 カラオケのシーンで千昭が「そんな過密スケジュール、オレはゴメンだね」と言っている[S33-2]のはなぜか。
A 文字通り、1日の間にカラオケも野球もするというのでは気ぜわしいということもあるだろうが、それよりも、千昭にはこの日の夕方、一人で博物館に絵を見に行く予定があるからだろう。
Q2.S33.2 カラオケのシーン[S33-3][S33-7]で千昭が歌っている曲は。
A カラオケ機器表示の曲名は『Time waits for no one』。歌詞は細田がアフレコの際に即興で作ったそうである[声優コメンタリ 00:26:22]。
Q2.S33.3 1回目のカラオケの場面[S33-1]で1曲目に入れた曲は。
A カラオケ機器表示の曲名は『時は誰も待たない』。真琴が入れ、真琴がマイクを握っている。限定版DVDのDISC 3では「M9 『時をかける少女』BGM」と表示されている。また、[ハンドブック p.62]掲載のMラインには「Tempo=夢見る頃を過ぎ
Q2.S33.4 2回目のカラオケの場面[S33-5]で1曲目に入れた曲は。
A カラオケ機器表示の曲名は『時は誰も待たない』。千昭が入れ、真琴がマイクを握っている。限定版DVDのDISC 3では「M9-2 『時をかける少女』BGM」と表示されている。
Q2.S33.5 3回目のカラオケの場面[S33-9]で1曲目に入れた曲は。
A カラオケ機器表示の曲名は『Time waits for no one』、作詞はH.Katuyo、作曲はK.Yoshida。千昭が入れ、真琴がマイクを握っている。限定版DVDのDISC 3では「M10-3 『時をかける少女』BGM」と表示されている。また、[ハンドブック p.62]掲載のMラインには「Tempo=Metamorp
Q2.S35.1 紺野家の夕食が鉄板焼きだったのは何日か。
A [絵コンテ S35]によると7月10日だが、 [S34-2]の母の「一昨日食べたでしょ」のセリフを信用するならば7月11日となる。[時間軸]では10日説を採った([B館時間軸]は11日説)。
ちなみにこの鉄板焼きのシーンで、真琴はタレを付け忘れている。タレの皿と見られるものはテーブルの上に存在するのだが、あれだけの枚数の肉に一度にタレをつけるのは困難そうである。
Q2.S35.3 鉄板焼きを食べ終えた後、真琴はどうしたのか。
A 朝からの授業を終えた後、長時間ぶっ通しのカラオケを経て疲れている[S34-2]ので、いかに真琴が元気な高校生といえど直後の野球の場面にそのままタイムリープしたとは考えづらい。そのまま、又は13日の夜に戻ってから睡眠を取り、その後13日放課後の哲学堂グラウンドにタイムリープしたのではないか[時間軸]。
Q2.S36.1 打った球をことごとく真琴にナイスキャッチされた千昭が悔しがって言った一言「なんで俺の??受けんだよっ!!」[S36-5]。 ??に入る言葉は。
A 「だけ」か「打球」か微妙だが、[絵コンテ S36-5]及び[BD版]の日本語字幕によると「打球」。
Q2.S37.1 「一人勝ちよ~ん」のシーンの夕焼けを見つめる真琴のカット[S37-6]は少し不自然なまでに間が長いが。
A [絵コンテ S37-6]には、「その夕焼けをじっと見詰める真琴。世界の広さ、美しさを実感し、充実したその表情。」とあり、そのカットの長さとして明確に12秒と指定されているので(実際には10秒弱)、編集がおかしかったわけではない。おそらく、タイムリープ能力を得た真琴の全能感や高揚感、そこから来る世界への期待感といったものを強調する手段として意図的に間を取ったものと思われる。
細田は[演出解説 00:13:08]で、分かれ道のシーン[S42-2]での功介が画面から外れてからの無言の7~8秒間の意図について説明した後、「(功介が)ハケてから間が3秒とか4秒だと、単にヌルい編集みたいな(笑)風に見えるわけ。8秒あるとなんか意図があるなっていう風に見えてくるっていう…」と語っており、このことからも、長い間が現れたときは、何か演出上の意図があるものと考えるべきだろう。このショットの類似例として、ラスト直前の雲を見詰めるカット[S112-9]があるが、ここもどうやら明確な意図があるシーンのようであった[Q2.S110.8][Q1.3.12]。
ただ、娯楽映画において、このようにやや一般の観客に馴染みの薄そうな表現を使うことの妥当性については意見が分かれるかも知れない。現実の問題としては、「単にヌルい編集」なのではないかと疑った観客も少なくなかったのではないかと思われる(なお、[超映画批評])。しかし、使える記号が増えれば効果的な表現の幅も広がるわけで、難しい問題ではある。
また、このシーンに限って言えば、おおまかにここまでが物語の導入部とも言える構成となっているところから、その区切りを示す意味もあったのかも知れない。映画では区切りを示すためにフェードアウトが使われることがあるが、細田作品ではほとんど使われない。
Q2.S38.1 真琴がケーキを土産に訪れた和子の部屋のシーン[S38]の日時は。
A ほぼ同時間帯に千昭が訪れていること[S39]、コンピュータのディスプレイの表示内容が[S19]と似ていること(ただ若干違う)、後ろの時計の表示などから、7月13日の午後5時前と考えられる。したがって、直前の「一人勝ちよ~ん」のシーン[S37]から少なくとも一度はタイムリープで時間を戻っていることになる。
Q2.S38.2 真琴がケーキを持って行ったとき、和子が「アテスウェイね」と言っているが[S38-2]、アテスウェイとは何か。
A ケーキ店の名前[作画コメンタリ 00:28:51][公式ブログ 2006/05/13]。アテスウェイは、倉野瀬高校のモデルとなった東京女子大学のすぐ近くに実在する([エンドロール]に「取材協力」としてクレジットされている。川村英樹はオーナーシェフ)。劇中世界でも倉野瀬高校のすぐ近くに存在するのではないか。
Q2.S40.1 果穂[S40]や千昭[S43]の最初の告白は何日の出来事か。
A 劇中ではこの時期、日付もタイムリープの事実も明確に示されないので、以下のように13日と14日の二つの可能性がある。完全を期する解釈家にとっては大問題だが、物語の本筋の理解にはほとんど関係しない。
2. 14日説 果穂と千昭の最初の告白は7月14日(金曜日)の出来事である。[時間軸]。なお、[海から]も参照
Q2.S41.1 真琴の「だってあの子、功介が中学ん時好きだった子に似てない?」のセリフ[S41-7]の意味は。
A 果穂が功介の好みのタイプではあるということを示すほかに、真琴と功介がおそらく遅くとも中学時代からの友人であると示す意味がある。
Q2.S50.1 和子は[S50-1]では「真琴は千昭くんが好きなんだと思ってた」と言い、[S64-7]では「真琴は功介くんが好きなんだと思ってた」と言い、[S100-3]では「ホントは、真琴は、功介くんとも、千昭くんとも、どちらとも友達のままだと思ってた」と言っているが、どういうつもりなのか。
A 和子としては、曖昧なまま決着をつけようとしない真琴が歯がゆかったので、[S50-1]や[S64-7]では決断を促したが、真琴の現状からすると、結局は[S100-3]のような結果に終わるだろうと思っていたのだろう。
Q2.S53.1 [S53-6]で千昭が教室の中におらず、廊下から覗いているのはなぜか。
A 選択の授業なので[絵コンテ S53-6]真琴は普段とは別の教室にいるから。
Q2.S54.1 [S54-12]で操作している携帯電話で千昭は何をしているのか。
A 真琴の親友の友梨に真琴に何かあったのか訊くメールを打っていると見られる。メールアドレスは、高瀬への放水事件の後[S52-4]に聞いたのだろう。
Q2.S55.1 [S55-3]のメールにいう「すっごいいいこと」とは。
A 千昭のメールアドレスを聞き、また実際にメールが来たこと。ただし、[Q2.S60.2]も参照。
Q2.S57.1 [S57-1]で友梨が真琴に千昭のことを隠そうとしたのはなぜか。
A 主な理由は、友梨は真琴が千昭に好意を寄せていると思っている[S51-3][S105-8]から。
[S56]でメールに返事が来なかったのも同じ理由だろう。それならば最初から真琴にメールしなければいいようなものではあるが、ストーリー構成上は、それがないと千昭が誰にメールしたのかわからない。
Q2.S58.1 高瀬が投げ千昭たちが避けた消火器[S58-42]が、野次馬が多数いる中でよりによって友梨にぶつかったのはなぜか。
A わかりづらいが、友梨が千昭の元へ駆け寄ろうとして人垣をかき分けて前に出てきたから。
Q2.S58.2 [絵コンテ S58-40]のカットが削除された理由は。
A [絵コンテ S58-40]には千昭が「おまえ…!今…ありえないことしなかったか?」と尋ね、真琴が千昭を「切なく見詰める」シーンが存在する([アートブック p.36]には掲載)。このカットを削除した理由として細田は、テンポが悪くなることと、(1)千昭が(タイムリープしていると気づかないまでも)真琴に疑念を抱き始めるという流れ (2)真琴が友梨に悪いことをしたと悔やむ流れ の2つが併存することになって観客が混乱する恐れがあること を挙げている[TAAFレポ]。もっともな理由ではあろうけれども、「切なく見詰める」部分は、このシーンが千昭に対する好意が少しずつ顕在化するきっかけのシーンであることをより明確に示すことができた可能性があり、削除するには少々惜しい面もあったように思われる。
Q2.S59.1 保健室のシーン[S59-5]で、真琴が「なんとかするから」といって保健室を出て行こうとするが、このとき真琴はタイムリープするつもりだったのか。
A あくまでキズが残ることが確定してから…という可能性もあるが、ひとまずタイムリープしないでおくのならば、そのまま一緒にクラスに戻ればいいわけだから、おそらく問いのように考えるのが自然だろう。 しかしその後の千昭と友梨の雰囲気を見て思いとどまったわけである。
なお、キズが残るというアイデアは[大林版]に由来するものかも知れない。
Q2.S60.1 真琴はあれほど千昭を避けていたのに、[S60]では普段通り一緒に野球をしているのはなぜか。
A 真琴が千昭を避けていた理由の解釈にもよるが、ここで千昭と野球をしているのはやや気持ちの切り替えが早すぎる感が残る。私見を述べれば、ここは[S63][S64]で置き換え、二人のキャッチボールの中で功介の口から千昭の様子を報告させる形にした方が良かったのではないかとも思われる。こうすれば、[S90-3]の「なんだかさ、ひさしぶりに話すね」のセリフの効果も強まる(なお、[Q2.S90.2])。
Q2.S60.2 [S60]で千昭が友梨とのナイター観戦の話をしているが、これはこれから行くということか、それとも、既に行ったということか。
A サンドイッチの紙袋を渡したのとその後の消火器事件から保健室へと至るシーケンスはこの日の昼休みの出来事で、そこで友梨と千昭が急接近したと考えるならば、おそらくはこれから、夏休みに行く予定だと考えた方が自然だろう。[S14-2]で相手は異なるものの夏休みに行くという話も出ている。ただ、メールが来たのが土曜で、この日は週末の連休を挟んだ火曜である可能性が高いので[時間軸]、その連休の間に行ったという可能性も否定はできない。この場合、友梨のメールにいう「すっごいいいこと」がこのデートの約束のことであったと解する余地が出てくる([Q2.S55.1]も参照)。