WOWOWにて鑑賞。
- 米海軍特殊部隊のメンバーとしてイラク戦争に従軍した狙撃手クリス・カイルの自伝の映画化。クリント・イーストウッド監督。
- いかんせん実話なのであまりテーマが明快でないし、話が冗長。ドラマチックなプロットがあるでもない。劇映画のシナリオとして見たらあまりよくできていると云えないが、まあ、あくまで伝記映画ですからね。
- 戦闘シーンはよく出来ているとは思うが、今時のハリウッド映画としては平均的なところかも。
- クリス・カイルはもちろん狙撃で敵をどんどん倒していくのだけど、それは国に忠実な兵士として米国を守るためであって、倫理的信念に基づいての行動というわけではないので、その行動に普遍的な倫理的価値はない。作中にも偽善という言葉が出てきていたが、ローヤリティとモラリティはまったく別のものである。米国人の目から見たら国を守ってくれる英雄なのかもしれないが、あいにく筆者は米国人ではないので、カイルのしたことに立派だという感慨を感じることはない。といって特別悪人と思うわけでもなく、要するに印象が薄い。これは純然たる米国内向け作品ではないか。
60点/100点満点