先日発売の「週刊SPA!」3/9号に『孤独のグルメ』の新作「東京都新宿区信濃町のペルー料理」が載ってましたが、なんとも残念な出来でした。
前回のもそうでしたが、これじゃあ安っぽいTVのグルメ番組のレポーターを井の頭五郎に置き換えただけじゃないですか。
『孤独のグルメ』の良さは、どの読者も一度は行ったことのありそうな冴えない店で井の頭五郎が食する、これまたどの読者も食べたことのありそうな常食的B級グルメという、それ自体は代わり映えのしない「ありふれた食事環境」に、何か微妙に風変わりなものが混入していることによる不思議さみたいなところにあるのではないでしょうか。最近の「新・孤独のグルメ」にはそういう視点がまったく見られません。
(追記)そういえば、元の『孤独のグルメ』には一人で入る店選びというテーマもありましたが、「新・孤独のグルメ」ではそこも弱いですね。
初めてお便りいたします。
漫画に出て来たティアスサナの親爺です。
今回の漫画の主題は、最後のページにあった「チャンスはあった。・・・でも踏み越えられなかった」
と言う言葉だと思います。
料理の説明の前に、小雪さんの思い出が出て来て、ペルー料理と何の関係があるのか分からなかったのですが
最後のページの言葉を見て納得出来ました。
40歳を過ぎた読者であれば、同様の体験をして来た方も多いと思います。
「踏み越えられなかった・・・」という体験をした方は、この漫画を“しみじみと”読まれたと思います。
ティアスサナの親爺の感想でした。
信濃町へ来られましたら、お立ち寄り下さい。
直々のコメントありがとうございます。
既にご存じかも知れませんが、「踏み越えられなかった……」の下りは、旧『孤独のグルメ』第5話「群馬県高崎市の焼きまんじゅう」の内容を受けたものだと思います。
旧『孤独のグルメ』を読み返していて思ったのですが、旧『孤独のグルメ』にはなによりも店のあり方に対する批判精神がありました。もっともそれが強烈に出ているのは、ネットでも度々ネタにされる第12話「東京都板橋区大山町のハンバーグ・ランチ」ですが、その他の話でもなにかしら五郎の斜に構えた皮肉のようなセリフや態度が見られます(ちなみにそれは、『野武士のグルメ』でも同様)。ところが今回はその辺りのキレが鈍った感があります。
読者としてはこれもまた「らしくない」不満点の一つということになりますが、それは取材の際に久住さんの感じたであろう店長さんとご母堂のお人柄ゆえでしょうか。