こちらとかこちらで話題になっている福本次郎氏の批評に対する批判についてなんですが。
私が見た映画についていうと、『スカイ・クロラ』で押井監督がアニメばかり見ている現代の若者へのメッセージを込めて作品を作ったとか、『ポニョ』は宮崎監督が子どもに喜んで貰うための映画として作ったとか、『ダークナイト』のジョーカーはバットマンシリーズの伝統として狂人キャラである(らしい。実は筆者もよく知らない)とかといったことはですね、すべて見る前の予備知識として映画の外で得られたものでして、もしこれらの予備知識抜きに作品を見た場合に、上記の記事で示されているような解釈が期待可能かというと、私の見た限りでは、少々心許ないところがあるものも存在すると思うのですね。
プロとして批評するならある程度の予習は当然しておくべきという批判はあり得るところですが、プロとして大量に見ているからこそいちいち調べていられないということも実際にはあるかも知れない。まあそれはともかくとして、福本氏の評論はそういう予備知識なく見に行くような一般の人々基準の感想がどういうものか観測するという意味での価値はあり得るんじゃないかという気もします。そしてまた、『スカイ・クロラ』はともかく、残りの2作は純然たる娯楽映画たることを期待される作品ですから、予備知識なく見たときに福本氏のような誤解を生じる余地があったということは、それ自体が作品の瑕疵であり、それが示されたことに価値があると考えることも不可能ではないと思うわけです。
追記: というこれだけの記事なんですが、どういうわけかGoogleで一ページ目に表示されていることと、ネットでは唯一(?)の擁護論であることもあってか、このブログではダントツにアクセス数の多い記事となってます。大したことなくてスミマセン。
ちなみにこのページに来られた方には、福本次郎氏がどのような方なのか、プロフィールをお知りになりたい方が多いと思われますが、私が検索した限りでは批評が載っているcinemaonline.jp上にあるもの以外は見あたらないようです。
作品背景については確かに、とも思えるのですが、
話の内容に関してありえない誤解が多すぎます。
例えばジョーカーなんて、台詞ではっきり「ただ街が燃えるのを見たいようなタイプの犯罪者」
って
示されていたんですけどね。
ポニョだって、どこをどう見れば魚の波が敵に見えるのか分かりません。
仮に一般人が福本氏並に誤解をするのであれば、
いくら娯楽作品といっても、どこまで話のレベルを下げればいいのか分からないです。
単に読解力が低すぎるだけなのでは。
ポニョに関しては確かに変な誤解でしたね。多分フジモトの手下みたいなのと混同されたのだと思いますが。
はじめまして。
福本氏は、『スカイ・クロラ』について、wii用のゲームソフトが出ることは知ってるか、調べてるんですよね。
そのうえで、その半端な知識からおかしな結論を引き出している。
知らないなら知らないでもいいし、それなりに書けばよいのですが、これは単純に自分がなにも分かっていないことを理解せず、いい加減なことを書き散らしただけでしょう。
「自分には理解できなかった」ということに気がつけない か、あるいは気がついてもそれをいえないという 彼のメンタリティが問題だと思います。
こんばんは。
私としても福本氏の批評が正しいとか望ましいとかとは思っていないのですが、下調べしないで見た人の感想、難解であるがゆえによく分からなくて誤解して書いた感想でも、そこからある程度得るものはある、ということです。
ご指摘の点でいえば、そういう誤解をする人がいるということは、それくらい『スカイ・クロラ』というのが何が言いたい映画だか分かり難い映画なのだということが言えるかも知れません。
分かり難い映画は即、良くない映画と評価されてしまうのが世間の常識なのですか?