『よつばと!』

『よつばと!』は子供の可愛らしさに作品の面白みの根拠を置くという意味で広義の萌え系作品と言えるのではないかと思うけれども、しかし世間一般で言われるところの(狭義の)「萌え系」作品とは違いがある。

狭義の「萌え系」作品は、一応オトナと言えなくもないくらいの年齢(典型的には女子高生くらい)の女性に子供らしさを付加することで、一人のキャラクターに子供の可愛らしさと女性としての(広義の)性的な魅力を重畳的に持たせることを特徴としている。このような「萌えキャラ」は、オトナでありながら子供のような振る舞いをする一種の奇形的キャラクターであり、一般ウケは悪い。そういうものを一種の「様式」として(伝統芸能のように)受け入れられるマニアにしかウケないジャンルになる。

一方、『よつばと!』は、子供の可愛らしさは子供のキャラクターが、女性の性的な魅力はオトナのキャラクターがそれぞれ別々に引き受けるというキャラクターの分離・分割を特徴とする。この構造ならば萌えキャラより現実味のある(ある意味「正常な」)キャラクターだけで話を組み立てていける。したがって一般ウケする。

しかし逆に言うと違いはそれだけだから、萌え系も『よつばと!』も潜在的ないかがわしさは同じようなもんなんじゃないか。

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