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よつばと!8巻

やっと出ました。

この巻を代表するセリフは、よつばのじゃないけれど、

綾瀬母「よつばちゃん食べてるとこかわいいから見るの好きなの」

ですかね(p.103)。子どもがものを食べてるところは確かにかわいいんですよ。ただ、そのかわいらしさがこの直後のコマで十分に表現されたかというと…ちょっと微妙でしたが。

以前書いた分析と予測が悉く外れているのには苦笑しました。まさかここにきてジャンボ-あさぎの軸が復活するとは…

よつばと! 8 (8) (電撃コミックス)(Amazonアソシエイト)

IKKI

マンガ雑誌の月刊「IKKI」(小学館)、以前から名前は聞いていたもののどこで買えるのかよくわからずにいましたが、ヴィレッジ・ヴァンガードに売られているのを発見。購入して読んでみました。

この雑誌、講談社でいうところの「アフタヌーン」に相当する位置にいるマンガ誌で、新人・準新人の作品が中心、しかしそれだけだと売れないのでベテランの作品も若干載ってます、という感じのラインナップになってます。

マスターショット

載っていた作品をいくつか読んで、読者の立場から一つ新人の方々に言いたいことがあります。

シーンが変わったら早めにきちんとしたマスターショット(エスタブリッシングショット)を入れてください!

マスターショットとかエスタブリッシングショットというのは映画の用語で、マンガの世界では用語が異なるかも知れませんが、要するに場所全体を入れてロングで撮ることにより、そのシーンの登場人物等の位置関係をはっきり描写するショットのことです。人間というものは新しい場所に来たらまず周囲を確かめたい生き物のようで、この欲求が満たされないとイライラします。それに、周囲が見えないということは人物の置かれている状況もわからないということなので、そのまま登場人物間の対話が進むとなんの話をしているのかわけがわからないという感じも受けます。マスターショットを一つ入れることで、これらの問題に効果的に対処できます。

以下の例をご覧下さい(画像は著作権法32条1項により著作権者に無断で引用しています)。

まずは良い例。「ビックコミックオリジナル」1022号(2008.8.20号)掲載、石塚真一作『岳』第66話「指令塔」p.134より。シーン頭(場面転換直後)からの1ページ分。

『岳』からの例1

『岳』からの例

つぎに改善を要する例。「IKKI」66号(2008年9月号)掲載、オノ・ナツメ作『さらい屋五葉』第33話「相酌」p.110より。この話の最初のページ。

『五葉』の例

『五葉』からの例

ひょっとすると始めにマスターショット的なものを入れるという意識自体はあったのかも知れませんが、始めのコマには玄関の様子が含まれていません。これでは、腕を怪我している人物が道場の玄関で二人の道場破りに応対しており、庭にはもう一人の人物がいてその様子を見ているという状況が分かり易く描写されたとは言えません。

『五葉』を例として使ってしまいましたが、同じような問題を抱えている新人作(オノさんが新人かどうかは不勉強にして存じ上げませんが)は他にも多いように感じられます。

ぼくらの

IKKI掲載作のなかで、『ぼくらの』は異彩を放っていました。これはアニメ化もされているそうで、新人作中心のIKKI掲載作といっても、これはむしろメジャー作品と言った方が近いのかもしれません。私も時々題名を目にすることはあったのですが、実際に読んだのは初めてでした。

たった一話読んだだけなんですが、細やかな心理描写に引き込まれます。良くできた物語ってのはこういうものなんですよねえ。

ただ、なんだかエヴァンゲリオンに似ているような気がするのと、人物の顔にヴァリエーションが乏しいのは残念。

でも今度単行本買ってじっくり読んでみます。

というわけで、恒例のAmazonアソシエイトリンク。どうか一つよろしくお願いします。

ぼくらの

さらい屋五葉

ハチクロ

『ハチミツとクローバー』ですが、その後5巻まで手に入れました。

読んでみた感想なんですが、いわゆるラブコメとしてはよく出来ていると思います。かなり笑えます。

ただですね、

  • ストーリーの先行きに期待を持たせるような要素が弱いので、いつでも読むのを止められる
  • 主人公が誰だかわからん。BSマンガ夜話で群像劇という表現があったが、誰も主人公がいないと言った方が近い。特にはぐみの人となりがよく分からないのが痛い
  • 男が全員同じ人物に見える(少女漫画を読み慣れてないから?)

といった欠点も見受けられました。あくまで5巻まで読んだ時点の感想ですが。

ハチミツとクローバー

ハチミツとクローバーなんですが、どこへ行っても売り切れです。

Amazonにはあるんですが、1500円以上でないと送料がかかりますので、差し当たり1巻・2巻あたりだけ読んでみたいという用途にはあまり都合がよくないのですよねえ。

アマゾン検索

たまたまBSにチャンネルを合わせたらBSマンガ夜話をやっていました。今夜は『ハチミツとクローバー』。なんだか絶賛の嵐だったので見てみたくなり、Amazonで注文しようと、またしても参考文献等に挙げさせて頂いたページを巡ってみましたが、Amazonのアフィリエイトをやっておられるところでも、検索機能(サーチボックスウィジェット)が付いてないところが多いです。個別リンクオンリーですと、その商品しか買えませんので、損だと思いますですよ。検索ページ経由でも紹介料が支払われますので。

ただ、このサーチボックスウィジェットというもの、どうせ買うつもりの商品が検索されるわけなので、需要喚起という効果はあまり期待できず、Amazon側から見るとそれに対して紹介料を払うというのは少々損かも知れません。Amazonでない書店から購入されるのを防ぐという効果はあるとはいえ、Amazonさんは太っ腹だと思います。アフィリエイターとしては是非活用したいものです。

えーアフィリエイトついでに告知させて頂きますと、Amazonではついに高島屋のお中元まで扱いを始めたそうです。もしよろしければ。

よつばと!人物配置の変遷メモ

物語開始時点

母親代わり
風香
遊び友達
恵那
からかい役・トリックスター
あさぎ
あさぎを片思いする
ジャンボ
祖母代わり?
綾瀬母

この時点では、あさぎ-ジャンボの関係が物語を動かす軸の一つとなることを意図していたものと思われる。

2巻

品が良すぎてキャラ立ちの悪い恵那に代わってみうら登場。みうら-ジャンボの軸が発生。
綾瀬父登場。こちらも存在感は薄い。

3巻

虎子登場。あさぎがよつばをからかって遊ぶときのフォロー役。

4巻

あさぎ-虎子コンビが成功したためか、あさぎ-ジャンボの軸は消滅し、みうら-ジャンボの軸が前面に出る。

5巻

天敵ヤンダ登場。

7巻

母親代わりとして(といっても本人はそこまではっきりとした考えは持っていないだろうが)よつばの遠出には大体同行する傾向があった風香だが、夏休みが終わったため牧場には行かず。代わりにヤンダが。女っ気のないエピソードは今後の試金石か。

しまうー登場だが今のところ位置づけ不明。風香が母親代わりといっても、よつばの身の回りの世話はとーちゃんがするので、遠出もできなくなった風香についてはそろそろネタ切れ、あさぎに対する虎子同様に今後はしまうーと絡ませるつもりかも知れない。また、糸電話のシーンはとーちゃんとの関係に何か変化を起こす意図を示唆するものか。

いずれにせよ、読者の人気も高い風香の扱いがどうなるかが今後の焦点。

マンガレビュー

最近ネタもないのでマンガの寸評でも…

「アクション」2008/5/20号

第一話はだいたいこちらで読めます。他の出版社もコレやってくれないですかね。

漫兆DX作『中野の犬たち』
この前この人の入選作を見たときはいくらなんでもこれは…と思ったけれど、これは意外とイケてるかも。
福満しげゆき作『うちの妻ってどうでしょう?』
前回と違って今回は正統派。やっぱりこのマンガはこうでないと。
はやせ淳作『駅弁ひとり旅』
相変わらずドラマに乏しいし、かといってオタク的知識の深みも足りない。
郷田マモラ作『サマヨイザクラ』
人物がステレオタイプ的だし、裁判員制度を「説明」しようとしているところが鼻につく。「企画制作: 最高裁判所」と付け加えたくなるような国策マンガ?
武富健治作『鈴木先生』
どうにも重たすぎて苦手。絵と内容とどちらかだけでももう少し爽やかにできれば…
こうの史代作『この世界の片隅に』
前回、雲の生成過程を蕩々と説明していたお父さん。他人事とは思えず心配です。

「ビッグコミックスペリオール」2008/5/23号

三田紀房作『マネーの拳』
マニュアル本を鵜呑みにする世代に贈る「起業の必勝法」。ドラマとしては手堅い感じなのだけれど、こんな子供だましに熱くはなれないですねえ。
乃木坂太郎作『医龍』
教授選なんてもう忘れてた。もっと大ゴマを減らして展開を速くした方が。
久部緑郎作『ラーメン発見伝』
展開はすごくベタなんだけど、その分安定感は抜群のマンガ。葉月の妹というアイデアはなかなか面白いと思います。
小山ゆう作『あずみ』
なんと単行本はもう45集が出るとの由。ストーリーはワンパターンではあるんだけれど、つい読みますね。
星里もちる作『光速シスター』
導入部はとりあえず終了、連続掲載もひとまずここまで。もう少し読みたかった。
こやす珠世画『相棒』
単なる推理モノってやっぱりドラマが薄っぺらいです。第一話はまあまあだったんだけどなー。
谷澤史紀作『電柱なんか見ないで!』
女の子の絵が、ちょっと古風な感じはするけれど、可愛いですね。あとエロいシーンはやっぱり本職?だけあって上手いです。
ロドリゲス井之介作『世界の中心でくだをまく[仮]』
このマンガ、初めの頃は話のテンポというか、コマ割というか、語りの基礎技術みたいなところがメチャクチャで、どうなってんのと思ったのだけれど、武論尊が出てきた頃からぐんぐんと改善。おっ、これは伸びるかなと思ったら、その後武論尊が出てこなくなった頃から退化を始め、今では初めの頃に逆戻り。これって、編集さんにも責任あるんじゃないですか。
福田幸江シナリオ・倉田よしみ画『味いちもんめ~独立編~』
『マネーの拳』よりこっちが好きです。

「ビッグコミック」2008.5.25号

九和かずと作・はしもとみつお画『築地魚河岸三代目』
原作者が変わってからやはり以前の切れ味はなくなってしまったけれど、徐々に進歩してきていると思います。
さいとう・たかを作『ゴルゴ13』
「たのしくまなべる マンガ『世界の政治・経済』」こと『ゴルゴ13』。回によって出来映えにかなり差があるが、今回は宝石業界がテーマ。まだ前編なので評価は下せないが、さてどうなりますか。
小林よしのり作『遅咲きじじい』
本来の小林よしのりらしいギャグマンガ。この雑誌に載っているということに微妙な違和感はあるけれど、悪くないと思います。
いがらしみきお作『かむろば村へ』
この作品、第一話を読んだとき、連載漫画としては珍しく、明確な構成とテーマ・結末を持った一つの物語を描こうとしている感じがして期待していたのだけれど、そういう観点からすると最近話があまり先に進んでませんね。いや、進んでるのかなあ。そういうところは『SS』なんかと感じが似てるので、結末をきちんとしてくれるのかちょっと怖いです。

弁護士の九頭(くず)

今週の「ビックコミックオリジナル」2008.5.20号掲載の『弁護士のくず』64話で、九頭が反対尋問で誘導尋問したのに対し検察官が異議を述べていますけれども、誘導尋問が禁止なのは主尋問であって反対尋問では許されているはずでは。

コレ、安易なTVドラマなどではよく見られる間違いと言われてる点なんですが、この作品は弁護士が監修しているはずなんですよね…