『伝説巨神イデオン 接触篇』『伝説巨神イデオン 発動篇』(1982)

 WOWOWにて鑑賞。

  • 西暦2300年代の遠い未来が舞台。人類は地球の植民星ソロ星で第六文明人の遺跡に残された宇宙船ソロシップとロボットイデオンを調査していた。そこへ無限の力「イデ」の手がかりを求めて別種の人類バック・フランの軍がやってきて、地球人類との間で偶発的な戦闘となる。結局ソロ星はバック・フランによって壊滅させられるが、その過程で遺跡のソロシップとイデオンが動き出し、地球人類はそれに乗って脱出する。そのとき、ひょんなことからバック・フランの高官の娘カララがソロシップに紛れ込んでいたことと、バック・フラン軍がイデオンを手に入れたいと望んだことから、ソロシップ一同はバック・フラン軍に執拗に追われることになる。地球に戻ってもバック・フランに追われているために危険すぎると受け入れを拒否されるソロシップの一同。やむなくバック・フランと戦いつつ追われつつの日々を過ごすうち、ソロシップとイデオンは無限の力「イデ」で動いていること、それ自体が意思をもちソロシップにいる乳児を守るために行動しているらしいことがわかってくる。そしてまた、イデは地球やバック・フランの母星に隕石を降らせて滅ぼそうとしているらしいこともわかる。紆余曲折の末、イデオンとバック・フランは最終決戦に臨み、バック・フランの最終兵器ガンド・ロワと相打ちになるような形で両軍とも消滅。相前後して地球とバック・フランの母星も滅亡する。両陣営の人類たちは星になり、カララが身ごもっていた両人類の混血児である新生児メシアに導かれて新惑星に集結、新しい人類として生まれ変わるのだった。
  • 『機動戦士ガンダム』の富野喜幸がガンダムの直後に制作したものの、未完のような形に終わっていたTVアニメシリーズの劇場版。接触篇はTVシリーズの総集編、発動篇は完結編の位置づけ。当時の人気はいまひとつだったようだが、今となっては『新世紀エヴァンゲリオン』の元ネタの一つとして有名な作品。本作品自体は『禁断の惑星』(1956)やアーサー・C・クラークの『幼年期の終り』に影響を受けているとみられる。
  • 富野自身も問題を認めているようだが、とにかく全部合わせて3時間強しかないので、TVシリーズなしに鑑賞するとストーリーについていきづらい。場面場面で何が問題になっているのか細かいところがわからない。人間関係の描写も薄いので、主要人物全員死亡という悲劇的結末の割に感慨が薄い。そもそも第六文明人って何。全然関係ない二つの星の人類がほとんどそっくりで生殖可能なのはどうして。しかしとにかく、いろいろエヴァに似ていることだけはよくわかった。