Google Play「旅のおともに、映画を1本プレゼント」キャンペーンにて無料でレンタル鑑賞。日本語吹き替え版。
- ゴールデンウィーク中限定で映画が1本無料で見られるというキャンペーンが実施されていたので、それで観た。Google PlayはAndroid向けアプリの販売サイトとして有名だが、映画・音楽等のコンテンツの販売・レンタルも行っており、それらはPCでも鑑賞できる。
- シナリオだが、このプロットにはゆがみを感じる。この話の過程で主人公が避けるべき忌まわしい結果(パトス)は何かという問いに明確な答えがないようである。一応の主人公の目標として放火犯の逮捕というのがあるが、兄のタダシもキャラハン教授も死んでしまったのだから、今更逮捕しても彼らが戻るわけでない。だからヒロの動機付けと共感が弱く、どうも盛り上がりに欠ける。本来なら、初めから教授の娘を助け出すのが目的になるべきだったのではないか。中盤~終盤になってからそれが出てくるのは遅すぎる。また中盤にマスクの男に殺されそうになってそこから逃げるという目標も出てくるが、後述のようにマスクの男が放火犯なのかが曖昧であることもあって、マスクの男がヒロたちを殺すことで何をしようとしているのかがよくわからず、したがってそこからヒロたちが殺されないためには逃げる以外に何をすべきか具体的な行動が導き出されてこない。
- 最終的にキャラハン教授が逮捕され、クレイ社長は特におとがめなしとなったようだが、教授の娘の事故の責任はどうなってしまったのか。こういう場合は、ベイマックスでなくてクレイ社長が犠牲になって助ける話であるべきである。
- 廃工場にいたマスクの男が放火犯であるというヒロの推理は根拠薄弱であり、その後のヒロの行動に共感しにくい。こういう風にするなら、火事のシーンの手前にマスクの男が放火するシーンが必要であった。
- このストーリーにおいて、ベイマックスの存在に必然性がない。5人の学生たちとベイマックスとで役割が重複しているため、ベイマックス抜き、もしくはベイマックスが5人と同格の脇役程度の位置づけでもほぼ同等のストーリーを構築できた。
60点/100点満点