NHK BSPにて鑑賞。
- クリント・イーストウッド主演の西部劇。しかしアメリカ映画ではなく、いわゆるマカロニ・ウェスタン、すなわち1960年代半ばから70年代前半にかけて流行した、イタリアで作られた西部劇である。マカロニ・ウェスタンの巨匠と呼ばれるセルジオ・レオーネ監督作で、マカロニ・ウェスタンの代表作の一つ。アメリカで製作されたものでないとはいえ、クリント・イーストウッドをはじめ役者はみな英語をしゃべっているし(妙にはっきり発音しているのでリスニングしやすい)、見た目もアメリカ映画と遜色ない、西部劇らしい西部劇である。
- 演出はよくできている方だと思うが、シナリオ面はほどほどといったところ。一番大きなところでいうと、これはどうもマカロニ・ウェスタンに共通する特徴らしいのだが、人物描写の重点を個人的能力のほうに置きすぎて、倫理的性格(人間関係)の描写の方がお留守になっているようである。このために、主人公たちがそれほど魅力的に見えず、また敵役がそれほど憎むべき悪人に見えない。また、プロット面でも、比較的葛藤の乏しいまま話が進行するので、ストーリーの先行きにあまり興味が持てない。主人公たちの能力の見せ場であるシューティングのアクションシーンには見ごたえがあるので、誰でもある程度楽しめる作品にはなっているが、それ以上のものがないようである。
65点/100点満点