WOWOWにて鑑賞。
- 父親に見捨てられた少年シリルと、ひょんなことから里親となった女性サマンサとの交流を描いたヒューマンドラマ。
- とにかく良くも悪くもヒューマンドラマらしいヒューマンドラマである。
- ドラマの主人公にはある意味での立派さが必要である。そして確かにサマンサは立派である。しかし、サマンサがいかなる倫理的規範・信念に基づいてあれほどまでの献身ぶりを発揮したか、そしていかにその倫理的規範・信念が正しいかを示さないと、立派さがあまりに人間離れして嘘くさく見え、観客としては逆にその実感が持てなくなる。
- 父親捜しの葛藤が比較的早い段階で解決した後、ドラマを駆動する力が弱まった感がある。
- 結末のつけ方について。脚本家はシリルの犯した犯罪の方を気にしてその贖罪を描いて終わりにしているが、これはおかしい。シリルが贖罪すべきはサマンサに対してである。小山薫堂も番組の後枠で結末の違和感を指摘していたが、その原因はこのせい。
- ただ、贖罪のさせ方自体は上手いアイデアだなと思った。
60点/100点満点