WOWOWにて鑑賞。
- アメリカの大学で文学を教える非常勤講師の青年が、自殺したある作家の伝記を書く許可を得るため、南米ウルグアイに住む遺族たちのもとへ交渉に行く話。
- 良くも悪くも文芸的な映画で、よく言えば上品で知的、悪く言えば衒学趣味的な雰囲気漂う作品であるが、葛藤が弱いためにドラマチックでなく、どうも退屈である。3人の遺族のうち2人が伝記に反対しているというのが形の上では葛藤になっているのだが、反対者の態度が頑なすぎて、望みが見えないので、実質的に葛藤として成立していない。その後、ハード・ネゴシエイターの恋人が現地にやってくるところではじめて葛藤が生じてくるが、既に開巻から1時間以上経過していて遅すぎた。
- しかしそれでも最後まで見てしまったのは、ときどき鋭いセリフが出てくるから。やはりドラマにとっていいセリフの力は絶大である。
- 結末の締め方はまずまず整っていた。やはり、物語の結末の機能は語りの動機を説明することにあるという考えで大体問題ないようだ。
50点/100点満点