『Far Cry 4』『Life is Strange』『Walking Dead』(ゲーム動画)

 ここ最近のゲーム実況動画界のホットトピックスは『Far Cry 4』の登場。さっそく世界各地の実況者がプレイを始めている。Far Cryシリーズはプレイしたことも見たこともなかったのだが、プレイ動画を観る限りでは、『Grand Theft Auto』シリーズ(GTA)を大自然あふれる奥地バージョンにしたものといった感触(英語でfar cryは「遠く離れて」の意)。いわゆるオープンフィールド型FPSで、移動できる範囲が広く遠出するときは基本乗り物に乗って移動、どこに行くかは自由だが、フィールド内に存在するミッションを引き受けて完遂すればストーリーが進んでいくというタイプのゲーム。
 舞台は架空の国らしいのだが、モデルとなっているのはチベットかネパールか……とにかくアジアの高地で、そこに広がる山岳風景が大変美しい。ゲームの映像表現もここまで来たかと思う。
 ストーリーの方は、どうやら当地の独裁政権に対抗して反乱軍(テロリスト)が戦う話で、主人公はテロリスト側ということのようなのだが、ロクに設定の説明がされないので正確なところがよくわからない。実況されているのはまだ序盤だけなので、プレイが進めば追々わかってくるのかも知れぬ。ただ、GTA5あたりと同様に、個々のミッションの独立性が高いので、全体のストーリーというものは相対的に希薄にならざるを得ないであろうと予想される。GTA5の場合、ストーリーに明確な目的がなかったこともあって、仲間たちの絆を確認して終わりという感じで、曖昧な結末だった。この作品の場合は、最低でもテロリスト側が独裁政権に対してなんらかの成果を挙げて終わるのだろうが……。

 SQUARE ENIXから発売された(開発はフランスの会社)アメリカの地味系女子高校生が主人公のタイムリープものアドベンチャー『Life Is Strange』も実況が始まっている(例えばCinnamonToastKen氏)。主人公の特殊能力により、前回行動を選択したところまで時間を巻き戻してやり直すことができるというゲームシステムが特徴。
 英語版しか出てなくて、ストーリーメインのゲームだけになかなかつらいものがあるのだけど、一応英語字幕は付いているのでなんとか見てみた限りでは、5日後に町に迫る大災害を救うために主人公があれこれする話らしい。ただ、この第一話ではそういう目的が匂わされたところで終了。
 ある意味ループものに近いという点と併せてなんとなく『ひぐらしのなく頃に』を思わせる内容。また、灯台が出てくるところなど雰囲気は『Alan Wake』にも近い。
 シナリオの出来という点では、セリフや人間の描写は自然な感じではある。だけど……ちょっと話にエンジンがかかるのが遅いようでこの第一話に限って言えば少々退屈だし、キャラにも魅力が乏しいようである。一本あたり2時間くらいのボリュームで連作していく形式の作品で、このあと第5話まで出す予定らしいのだけど、ちょっと不安な滑り出しである。

 今や旧作扱いにはなるが、同じ連作ものアドベンチャーゲームの『Walking Dead』のSeason 1のシナリオはまずまずよく出来ていたと思う。『Walking Dead』は元々TVドラマで、本作はそのスピンアウト的作品らしいのだが、さすがにアメリカのTVドラマで活躍する脚本家を投入するとはっきり出来が違ってくるようである。また、主人公の行動選択次第で他のキャラクターからの好感度が変わり、それにより話のクライマックスで誰が協力してくれるかが変わってくるというシステムは、日本のギャルゲーとの類似を感じさせた。もっとも、マルチエンディングではないらしく、来てくれる人が少なくとも最終的な結果は変わらないらしい。例えば弟者氏の実況ではたった一人しか来てくれていなかったが、それでも無事エンディングに辿り着いていた。