『死の接吻』(1953)

 倒叙ものミステリー小説だが、犯人の名前が後半部まで明らかにされないというところに特色がある。評価の高い作品なので期待して読んでみたが、これは失敗作。この小説のもっともキモである、犯人の名前が明らかになるところで盛大に滑っている。しまったそう来たか、と思えない。