あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
去年もこちらのサイトの更新は低調だったが、内部的には、ドメイン名を変更したり、お名前サーバー側でマシンの入れ替えがあったりでほどほどの変化はあった年であった。
ウェブマスタ個人のネット活動はここのところYouTubeのチャンネルが中心となっている。
1年ほど続けてみて思うのは、動画制作はあくまで趣味でやっているはずなのだけど、YouTubeはそれを超えてプロのように金も手間もかかる方向へ誘導し、悪く言えば他人をタダ働きさせるのに最適化されたシステムになっているということである。
車載動画というジャンルはドライブのついでに撮っているから簡単に撮れる……と思われがちだが、そうでもない。
まず車載動画を車載動画として当たり前のクォリティで撮るだけでそこそこの技術が必要である。これは車載動画というものを手あたり次第に見てみればすぐにわかることで、画質悪い画角悪い映り込み激しい真っ暗で何も見えないなどなど、ふつうの車載動画と呼べるレベルに達してない動画がたくさんある。何も気にしないで撮ればそうなるのである。
ちなみにガラスへの映り込みという問題はカメラを車内に設置すると必ず起こる問題で、筆者も車内設置派なので相当悩まされている。今のところ、画質重視の車載動画YouTuberの間では車外に設置するのが主流だが、直結電源供給が難しい、転落のリスクがあるなどそれはそれで問題がある。
また撮影のときはドライブのついでということはまずない。それなりに面白そうなところを探して撮影のためにわざわざ出かけているのである。敢えて言うなら撮影のついでにドライブしている感覚である。そしてこれがカネも時間もかかる。車載というジャンルの場合やはり高速代燃料代が動画一本あたり数千~1万円程度はかかっている。しかし動画から一銭も収益は上がらない。仮に収益対象のチャンネルに育ったとしても、売上額は(再生回数×0.01)円くらいといわれており、1万再生されて100円である。高速代はもちろん燃料代にもならない。
となるとなんだかバカバカしいようだが、YouTubeは再生回数や評価数といった数字がダイレクトに出るシステムで、大体は悲惨な数字しか出ないがたまに当たりが出て数字が伸びることがある。これはYouTubeが意図的にやっているのか知らないが、こういうのがあるからなかなかやめられない。
また、以上のような事情を前提とすれば、YouTubeの動画というのは動画主が苦労して作った動画を視聴者に見せてあげている……ということになるはずなのだが、実際には立場が逆みたいになっており、ちょっと難があるというと平気で低評価なんて付けてくる視聴者もいる。こういった数字を通じて制作者が視聴者にコントロールされるような形になっている。こうなると、金ももらってないのにやっているのはなんだか仕事みたいなのである。そしてそのコントロールは、さらにカネも時間もかかるような方向を向いている。
これは作品を作るという分野の趣味では多かれ少なかれ存在する問題と思われるが、YouTubeはそういうところを煽るシステムとしての側面がある。
以上から、もしYouTubeの動画制作をこれからやるという人にアドバイスするとするなら、動画はあくまで趣味であると自覚し、それに掛ける予算と時間を趣味として妥当な範囲にコントロールすることである。月1万円くらいの予算でやりくりしてやっている分には、それなりに面白い趣味といってもいい。そこを踏み外さないことである。