『あたし彼女』
読みました。
ケータイ小説というと『恋空』が思い浮かびますが、正直アレは、ちょっとどうかという出来でしたよね。しかしこの作品ははてな方面で意外に評判が良く、いわゆる普通のオトナが審査しているとのことでもあったので、ものは試しと読んでみたわけです。
点数でいうと、『恋空』を20点くらいとすると、この『あたし彼女』には65点くらいはつけられると思います。構成をきちんと考えて書いているようですし、小道具の使い方もまずまず。描写も案外ディテールが描き込まれていて、文体から受ける印象より小説としてずっとよく出来ています。『恋空』と違って、たぶんこの作者はある程度物語創作について勉強されている方だと思います。ただ、テーマが恋愛一本槍なので中盤以降ダレた感がありますし、起こる事件がやや唐突ないしご都合主義的にも感じられ、ケータイ小説の悪い面をまだ引きずっているなという感じもしました。そういうこともあって、ところどころ文章が変なのが、文章力不足なのか意図的なのかは判断に迷います。
この話の構成は、(ややネタバレなので読了後にクリックしてください)この映画とこの映画のスジを掛け合わせたものに近いような感じがします。また、大まかな小説のタイプとしては、三田誠広言うところの素人にも書きやすい「告白型私小説」に属するものと思われます。
i-mode外字のインストール
ところで、上のリンク先で『あたし彼女』を読む場合、Windowsでは標準状態では絵文字が表示されません。以下のページから外字を入れることをお勧めします。
このデータのインストールには以下のツールを使用します。
インストール方法については、環境にも拠りますのでこれらのドキュメントをお読みいただきたいのですが、基本的には外字データを解凍したディレクトリのaf_w2kディレクトリにcpeudc.exeをコピーし、実行して[実行]ボタンをクリックするだけです。なお、外字データのドキュメントには、この「外字コピー屋さん」を使わないでFontsフォルダにコピーしてインストールする方法も記載されていますが、そのやり方だと手元の環境では「”EUDC.EUF”は無効であるか、 壊れています」などと出て上手くいきませんでした。
また、以上によりInternet Explorer 7.0では絵文字を表示できるようになったものの、Firefoxでは依然として表示できていません。使っているフォントは同じなんですが。(…私は試してませんが、その後このページを見つけました。)
それにしても
今どきニャンニャンはないだろうニャンニャンは。