WOWOW放送分をDVDに録画しておいたのを久しぶりに再見。
- 初めて見た時もなかなかいいじゃないと思ったが、改めて見直してみてますます良さが際立ってきた。スティーブン・キング原作の映画なら『ショーシャンクの空に』よりこっちを推すなあ。やっぱりドラマの基本は悲劇ですよ。
- この作品がヒッチコックの『鳥』をモチーフにしていることはまず間違いないが、シナリオはこっちが上。あのストーリーの崩壊した『鳥』をよくここまで持っていったものだ(『鳥』が好きな人は映画をシナリオでなく場面場面の演出で見ている人)。
- 一度目を見終わったときには、初めの方で子供たちが家で待っているからと外に出て行った母親は、隣の薬局で蜘蛛の巣にからめ捕られていたと勝手に思い込んでいたが、見直してみたらなあんだ、ラストシーンに登場してるじゃないですか。でも時間的にはまだ救援はたぶん来てなかった頃のはずなんだけど。それならむしろ、時期的には弁護士も助かってないとおかしい。
- ラストシーンと言えば、そこで出てくる戦車は主人公の車が走ってきた方から姿を現すので、主人公たちは救援から逃げる方向に走ってしまっていたことになる。これも初見では気付かなかったところ。ということは、スーパーに残っていた人々も助かったということなのか。
- 預言者の女は狂っているようだが、実は彼女の予言はラストシーンで起こったことも含めすべて当たっているとはネットでもすでに指摘されているところ。するとこの作品は、旧約聖書の教義を支持し奨励するものと解釈すべきものか。彼女を撃った彼も結局死んだしね。
- 福島直後の日本の(主としてネットの)言論の状況が、この作品におけるスーパーの中のそれとそっくりだという指摘があった。そういう目で見ると、預言者の女が(殺される少し前あたりで)核技術を非難していたことが不気味に見えてくる。
90点/100点満点