WOWOWにて鑑賞。
- 映画のテキストには必ず出てくるが実際に見たことのある人は少ないと思われる『月世界旅行』。その彩色版のデジタル復元版。劇伴は現代の曲を後付けしてある。
- 何しろ世界初のSF劇映画であるから、中身は実に素朴なもの。尺もわずか14分。映像にはカット割りというものがなくシーンをマスターショットでただ撮っているだけ。背景ははっきり書割。全体的に舞台演劇に近い。現代の観客としては不満を感じるわけだが、それは現代の様々な撮影技術が考え出された動機になっているはずで、想像するといろいろと興味深い。
- とはいえ後付けされた音楽の出来がいいこともあって案外味わい深く、思ったより見れる出来。初歩的ながら特撮もある。映画って案外こんなもんでいいのかも、と考えさせられる。あとやはり劇伴音楽の重要性。
- ストーリー面で衝撃的だったのは、月から地球に帰る方法。月から下に落ちると地球に着水するという発想はなかった。