この記事を見ていて思ったのですけれども、コンテンツ産業の今までのモデルは、リリース後にCDを買って貰う「後払い制」から、リリース前に予約して買って貰う「前払い制」に移行せざるを得ないんじゃないでしょうか。
具体的には、まず制作直後には映画のように指定された場所でだけ・又は音質を落したお試し版にだけ、コンテンツにアクセスできるようにする。それで気に入ればリリースへの予約を入れておく。一定数集まれば正式に発売。発売後一定期間経過後は、予約していない者でも割高な価格で購入できるが、予約購入者には(1)発売後の(予約していない者への)販売分に対するロイヤリティ分配金 (2)違法ダウンロードに対する損害賠償からの分配金 の受け取り権を付与する。
この方式のポイントは、一定の売上は発売までに確保できる点と、予約購入者にロイヤリティ配分して製作者側に巻き込むことで、違法アップロードをしない・又は発見した違法コンテンツを通報する・動機付けができる点です。特に後者は、若者にコンテンツ権利に対する意識改革を起こす可能性があるという点で重要と思います。
ただこれは、音楽のように制作原価がそれほど高くなく、予約が集まらなくてお蔵入りという事態に耐えられる業界に限られますが。
Unix (clone) on Virtual PC
仕事で必要があってVirtual PC 2007 SP1 (on Windows Server 2008 x64)上にUnix (clone)をインストールすることに。
無料ならなんでもよかったので、最近話題のUbuntuを選択。Ubuntu 8.10 Serverのisoイメージを落してきて早速インストールを始めた。
ところが、インストール開始直後にカーネルパニック(だと思う)でスタックトレースらしきものを出力してインストーラが落ちる。Google先生に聞いてみるが、クライアント版での対処法しかご存じでない様子。仕方がないので、ありあわせの情報をテキトーに総合してコマンドラインオプションに
noreplace-paravirt vga=791
を追加してみたところ、なんとか動き出してくれた。
しかし、インストールを終えて本体を起動してみると、OSそのものは動いているようだが画面がおかしい。コンソールに出力されている文字がほとんど何も読めない。試しにgrubでカーネルの起動オプションに上記引数を追加してみると、またカーネルが落ちる。
時間がもったいないのでここでギブアップ。FreeBSD 7.1に変更。
こちらは素直に入ってくれた。
ただ、しばらくpingを飛ばしていると
ping: sendto: no buffer space available
と表示されてネットワークインタフェースが使用不能になる症状が発生。ifconfigでインタフェースをdownさせてからまたupに戻すと再度使えるようにはなるのだが、どうも不安だ。Google先生に聞いても、これで困っている人が昔からいるということが分かっただけ。
この件で腐っているのがVirtual PCとFreeBSDのどちらなのかはわからないが…、やはりVirtual PCはMicrosoftがタダで配っているものだから、Windows専用と考えた方がいいのかも知れない。
評論家の東浩紀氏も「拡張現実やサイバースペースのガジェットが、怪談を語り直すために再利用される…
あーなるほど。言われるまで不覚にも気付かなかったけれど、電脳コイルって怪談を異化(という用語が適切か知らないが)した作品だったんですねえ。鳥居の中に入れないのはそういうわけか。
いよいよ来月から再放送ですね。楽しみにしてます。
ページの先読み
最近アクセスログに、このブログに最初にアクセスしたときに、そこに存在するリンクをすべて先読みしていると思しきアクセスパターンが見受けられるようになりました。
うちのブログの場合は、アクセス数が少ないですからなんでもないのですけれども、ある程度以上のアクセスがあるブログに対してはこれは結構負担になるのではないでしょうか。WordPressの場合、バックエンドでmysqlが走っていて、1ページ表示するだけでもかなり重たい処理になっているのに、ページを先読みするとなると、サイドバーにある各月の分(「アーカイブ」のところ)のページをすべて同時にアクセスすることになるのですから。
過去、表示の高速化のためにブラウザのHTTPの同時接続数を増やすhackなどもありましたが(今もあるか)、あれはダウンロード総量は変わらないので、一部で言われるほど害はなかったのではないかと思います。しかし、先読みから生じる負担はそれとは次元が違います。
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菊島隆三賞
月刊誌「シナリオ」で一番面白い記事といえば「日本シナリオ作家協会ニュース」であることは論を俟たないところですが、今月は菊島隆三賞の選考過程が載ってます。結果としてはTVシナリオの『本当とウソとテキーラ』(山田太一脚本)が受賞となりました。
『おくりびと』も候補には挙がっていましたが、もっともなことにボロクソにけなされているのが笑えます。もちろん荒井晴彦氏も例によって例のごとく毒舌を披露。桂千穂氏が押しとどめようとしますが当然そんなことで矛を収める荒井氏ではなく。
まあそれはともかく、勉強になりますので一読をお勧めします。
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[tmkm-amazon]B001EVI9PC[/tmkm-amazon]ちなみにこちらは『おくりびと』シナリオ収録号。新品はもう売り切れですが。
そういえば、『時かけ』収録の2006年版が大幅に遅れて発売された後音沙汰なくなっていた『年鑑代表シナリオ集』、2007年版が近日発売予定と上記「シナリオ」誌で告知されていました。本来は翌年中に出ていた本なのですが、これからは翌々年に出るペースが定着するんでしょうか…
『つみきのいえ』
『つみきのいえ』、前々から気になってましたが、アカデミー賞受賞というのでついに某所で見ました。
テーマ性と情緒の両方をいいとこどりしたような内容で、なかなかよく出来ていると思います。短編なので気楽に見られるのもいいですね。ただ、短編ゆえにラストのまとめ方はやや強引にならざるを得ないのかなという感じはしました。
ところで、地球温暖化を異化のモチーフにしているところと、絵本のような絵を表現手段として選んでいるところは、同年度の日本アニメ界最大の話題作だった『崖の上のポニョ』と共通しているわけなんですが、この二作を対比してみると、『ポニョ』にもっとも足りなかったものの一つは情緒だったのではないかという気がしてなりません。
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エヴァの決定版解釈(あるいはその元ネタ)
これが本当だとすると、どうやらエヴァの元のネタの一つは『2001年宇宙の旅』だったということになりそう。「SOUND ONLY」の板がモノリスみたいだったのは偶然じゃなかったんだ。
いや、そう言われてみれば、そもそも設定についてロクに説明をせずに話を進めるという語りの手法自体がそっくりだ。
追記: 似たようなことはすでに昔から言われていたようで。
『2001年宇宙の旅』についての新たな考察
Google検索「エヴァンゲリオン 2001年宇宙の旅」
『野武士のグルメ』
かの名作『孤独のグルメ』の原作者久住昌之さんのエッセイ集『野武士のグルメ
』が発売になっていますが、これが大変いい本です。『孤独のグルメ』の巻末に収録されていた「釜石の石割桜 あとがきにかえて」のような身近な料理屋にまつわる短編エッセイを集めたもので、あの久住節が相変わらず冴えてます。「釜石の石割桜」が好きだった人ならきっと楽しめることでしょう。
その「釜石の石割桜」自体も一応この本の巻頭に収録されています。『孤独のグルメ 【新装版】』ではどうしたことか削除されていたので、これは最近の読者の方々にはよかったと思います。ただ、実は今回収録されたバージョンでは内容が大幅に改訂されているのです。個人的には元のバージョンの方がよかったかなと思わないでもないのですが…
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[tmkm-amazon]459405644X[/tmkm-amazon]この新装版には「釜石の石割桜」の収録はなし。その代わり1話分の新作書き下ろし収録。
[tmkm-amazon]459402856X[/tmkm-amazon]未確認ながらこの文庫版の方には「釜石の石割桜」収録との由。新作の収録なし。
コミックチャージが休刊になったので、創刊から休刊までの印象を語ってみる(他の隔週青年誌についても少々)
あくまで偏見で選んだと断ってあるのではありますが、え、これが主力? …とつい思ってしまったので、この機会に私が読んでいる雑誌について、いくつか作品を挙げてみました。
漫画アクション
- うちの妻ってどうでしょう?
- 大阪ハムレット
- この世界の片隅に
- BARレモン・ハート
- センセイの鞄
世間的には『鈴木先生』『極道めし』なんかも主力ですかね。あまり真面目に読んでませんが。
『真・異種格闘大戦』をWebのみにしたのは成功だったかどうか。
ビッグコミックスペリオール
- 医龍
- AZUMI
- ラーメン発見伝
- 味いちもんめ
- 拳
こう並べてみると、スペリオールも最近ラインナップの層が薄いですね。
ビッグコミック
- ゴルゴ13
- 総務部総務課山口六平太
- 築地魚河岸三代目
…だけ。改めて見たらこりゃひどいな。しかも、前にも書きましたけど、この3作の中身も最近マズいんですよ。
もう少しだけ様子を見て…改善が見られないようなら買うのやめるか。
ビッグコミックオリジナル
- 釣りバカ日誌
- 黄昏流星群
- 風の大地
- 岳
- Dr.コトー診療所
- 弁護士のくず
- 深夜食堂
ここで挙げた中ではもっとも充実したラインナップ。個人的にはまったく認めてませんが、世間的には『PLUTO』『三丁目の夕日』あたりも主力なんでしょうし。『あぶさん』『浮浪雲』あたりの立ち位置は正直謎です。