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YouTubeゲーム実況者まとめ (日本語編)

 以下は2016年に某所にアップロードしたものですが、そちらがサービス終了とのことでここに転載しておきます。


日本のゲーム実況界はニコニコ動画を中心に回っているようなところもありますが、無料で高画質動画が楽しめるYouTubeでの日本語ゲーム実況者についてまとめてみました。

凡例:
以下の評価は評者の独断と偏見によるもので、目安程度にご覧ください。
5段階評価ですが、2つ星くらいが平均という感じにお考えください。

視聴者層 : 主に実況しているゲームの傾向や語りの感じから想定視聴者の年齢層を記載。
顔出し  : 実況者が素顔を公開しているかどうか。「動画上で顔出し」は実況中の様子を動画にワイプ等で載せている場合です。
得意分野 : その実況者が得意としていると思われるゲームの分野。
代表作  : その実況者が人気を獲得したきっかけとなった実況動画などのゲームタイトルや、定番的にプレイしているゲームタイトルなど。
視聴者数 : YouTubeのチャンネル登録数と平均再生数。平均再生数はざっくりの数字です。
更新頻度 : 動画のアップロード頻度。
バラエティ: 一定数の動画あたりの実況しているゲームの種類数。
プレイ技術: 実況者の動画中におけるゲームプレイの上手さ。リハーサルや練習をしているかどうかは考慮していません。
長篇完走率: 長篇ゲームを最後までクリアしている割合。途中で投げ出しているゲームが多い場合のほか、そもそも長篇ゲームをあまりプレイしていない場合もここを低くしています。
トーク話術: 実況の話の面白さや、滑舌の良さなど。
トーク声質: 主観的な評価ですが、声の良さ。基本的に地声だと低め、声を作っている人だと高めになります。
編集傾向 : ハイライト志向(面白くないところは大胆にカットする)・臨場感志向(極力カットしない)の別
動画品質 : 編集技術や画質、サムネイルなど主に絵面の評価。
広告頻度 : 動画上に広告が表示される頻度。特に、動画中にさしこまれる動画広告の間隔。

ヒカキン

日本を代表するYouTuberの一人。話術巧みなエンターテイナーだが、ゲーム実況者として見ると中途半端かも。基本的には子供向けという感じ。

視聴者層 : ローティーン
顔出し  : 動画上で顔出し
得意分野 :
代表作  : マインクラフト
視聴者数 : ★★★★★ (登録数200万弱・平均再生100万)
更新頻度 : ★★★★  (ほぼ毎日)
バラエティ: ★★    (マインクラフトやスマホゲームなど一部のゲームに偏っている)
プレイ技術: ★    
長篇完走率: ★     (単発志向)
トーク話術: ★★★★★ (流石にYouTuberの第一人者)
トーク声質: ★★★  
動画品質 : ★★★★  (画質1080p60)
広告頻度 : ★★★

2BRO (弟者)

兄者氏・弟者氏の兄弟と、その友人おついち氏で運営されている実況チャンネル。特に弟者氏の実況が人気。
弟者氏は、ゲーマーらしい実況者の中では現在日本を代表する実況者の一人と云える。大塚明夫のような渋い声質に定評があり、以前はよく『メタルギア・ソリッド』シリーズの主人公スネークのマネで、動画アタマに「待たせたな!」と云っていたが、最近はあまり云わなくなった。

視聴者層 : ハイティーン以上
顔出し  : なし。イベント出演時もヘルメットで隠していた
得意分野 : FPS, TPS
代表作  : DOOM3, Wolfensteinシリーズ, メタルギアシリーズ, Slenderシリーズ他
視聴者数 : ★★★★★ (登録数100万強・平均再生30万弱)
更新頻度 : ★★★★★ (毎日複数本)
バラエティ: ★★★★★ (次々に新作メジャータイトルを実況・一方でレトロゲームなどもカバー)
プレイ技術: ★★★★  (普通に上手い)
長篇完走率: ★★★★★ (原則エンディングまで完走)
トーク話術: ★★★★  (弱腰系)
トーク声質: ★★★★★ (声優のような声)
編集傾向 : ややハイライト志向
動画品質 : ★★★★  (画質1080p60)
広告頻度 : ★★★★  (少ない方)

赤髪のとも

公式には男性ということになっているが、声・語彙など女性としか思えない実況者。ニコニコでも生放送しているが本籍はYouTube。想定視聴者層はローティーン向けとハイティーン向けの中間。複数人で実況することも多いが、これは好みが分れるかも。

視聴者層 : ローティーン~ハイティーン
顔出し  : 別チャンネルでマスク付きで顔出し
得意分野 : マルチプレイ
代表作  : マインクラフト, GTA5マルチプレイ
視聴者数 : ★★★★★ (登録数100万強・平均再生30万弱)
更新頻度 : ★★★★  (毎日1~2本)
バラエティ: ★★   
プレイ技術: ★★  
長篇完走率: ★★   
トーク話術: ★★★  
トーク声質: ★★★   (女性のような声。複数人プレイのとき賑やかなのは好みが分れるかも)
動画品質 : ★★    (画質720p)
広告頻度 : ★★★★  (少ない方)

アブ

話術がウリ。本籍はニコニコ動画で、そちらでは有料チャンネルを開設。YouTubeにアップロードしているのは一部だけなので、チャンネル登録数などは控えめだが、人気の実態はそれ以上。

視聴者層 : ローティーン
顔出し  : なし
得意分野 :
代表作  : 妖怪ウォッチシリーズ, マインクラフト, ドラゴンクエストビルダーズ, マリオメーカー
視聴者数 : ★★★★★ (登録数50万強・平均再生20万。但しYouTube分のみ)
更新頻度 : ★★★★★ (毎日1~2本)
バラエティ: ★★    (YouTubeは種類少な目)
プレイ技術: ★★    (技術の必要なゲーム自体少ない)
長篇完走率: ★★★
トーク話術: ★★★★★ 
トーク声質: ★★★ 
編集傾向 : ややハイライト志向
動画品質 : ★★   (画質720p)
広告頻度 : ★★★★  (少ない方)

キヨ。

ニコニコ動画に有料チャンネルを開設。YouTubeにも動画をアップロード。
アブと立ち位置が似ているが、若干元気がよすぎる感じが好みの分れそうなところ。

視聴者層 : ローティーン
顔出し  : 一部の非実況動画であり
得意分野 :
代表作  : 妖怪ウォッチ, マリオメーカー, マインクラフト
視聴者数 : ★★★★★ (登録数50万強・平均再生20万。但しYouTube分のみ)
更新頻度 : ★★★★  (毎日)
バラエティ: ★★    (YouTubeは種類少な目)
プレイ技術: ★★    (技術の必要なゲーム自体少ない)
長篇完走率: ★★★★ 
トーク話術: ★★   
トーク声質: ★★    (声が大きいのが好みの分れそうなところ)
編集品質 : ★★    (画質1080p。音声に若干難あり?)
広告頻度 : ★★★

ホラフキン

マツコ・デラックスのような声と芸風だが、本人とは関係ない。
中二病ことxyz氏との共演プレイが好評。

視聴者層 : ハイティーン以上
顔出し  : なし
得意分野 : マルチプレイ, ホラー, バカゲー
代表作  : H1Z1, GTA5, デッドライジング3, ヘビーレイン
視聴者数 : ★★★★  (登録数50万強・平均再生20万前後)
更新頻度 : ★★★★  (ほぼ毎日)
バラエティ: ★★    (定番ゲームが決まっている傾向)
プレイ技術: ★★   
長篇完走率: ★★★   (やや単発志向)
トーク話術: ★★★★  (ややゲス系)
トーク声質: ★★★   (マツコ・デラックスのような声と口調)
編集傾向 : ややハイライト志向
動画品質 : ★★★   (画質720p。テロップがバラエティ風。再生リスト未整備)
広告頻度 : ★★★★  (少ない方)

ガッチマン (賀土 万)

妻一人娘一人猫二匹の家族持ちの専業プロ実況者。妻は同人マンガ家で、近頃カドカワから『パパはゲーム実況者』を出版。
ニコニコ動画を本拠にするが、YouTubeにも少し遅れてアップロードしている。
練習済みで要領よく進めていくプレイが基本。実況はよくかむ。

視聴者層 : ハイティーン以上
顔出し  : 生放送など一部で顔出し
得意分野 : ホラー
代表作  : SIRENシリーズ(NT以外は公式にはニコニコのみ), Five Nights at Freddy’sシリーズ, Slenderシリーズ, THE LAST OF US
視聴者数 : ★★★   (登録数10万強・平均再生2万前後。但しYouTubeだけの数字)
更新頻度 : ★★★   (ほぼ隔日)
バラエティ: ★★★  
プレイ技術: ★★★★  (非初見・練習済みプレイが多い)
長篇完走率: ★★★★  (大体完走)
トーク話術: ★★   
トーク声質: ★★★  
編集傾向 : やや臨場感志向
動画品質 : ★★    (画質720p)
広告頻度 : ★★★★  (少ない方)

べるくら企画 (柏木べるくら)

声質に定評。老人のような声だが実際には30代。地声はもう少し若いようだ。
ホームレス経験ありの異色の経歴。

視聴者層 : ハイティーン以上
顔出し  : なし
得意分野 : ホラー, バカゲー, サンドボックス
代表作  : The Forest, Goat Simulator, マインクラフト, Dead By Daylight
視聴者数 : ★★★   (登録数20万強・平均再生4万前後)
更新頻度 : ★★★★  (ほぼ毎日)
バラエティ: ★★★  
プレイ技術: ★★★  
長篇完走率: ★★★  
トーク話術: ★★★★  (おとぼけ系)
トーク声質: ★★★★  (癒し系老け声)
編集傾向 : ややハイライト志向
編集品質 : ★★★★  (画質1080p60)
広告頻度 : ★★★

Shouhei

ノウハウ系の単発動画が多い。英語版の実況あり。

視聴者層 : ハイティーン以上
顔出し  : なし
得意分野 : FPS, 英語版ゲーム
代表作  : Call Of Dutyシリーズ
視聴者数 : ★★    (登録数15万弱・平均再生数万前後)
更新頻度 : ★★    (隔日程度)
バラエティ: ★★★  
プレイ技術: ★★★  
長篇完走率: ★★★  
トーク話術: ★★★  
トーク声質: ★★★  
動画品質 : ★★★   (画質1080p60)
広告頻度 : ★★    (やや多い)

ひゃくえんゲーマー

アメリカ在住で、英語版ゲームの実況が多い。実況でない動画も上げている。
Steins;Gateファンで、昔はラボメンのバッジをアイコンにしていたが、許諾が出ないらしく同シリーズの実況は一部のみ。

視聴者層 : ハイティーン以上
顔出し  : 動画上で顔出し
得意分野 : 英語版ゲーム
代表作  :
視聴者数 : ★★    (登録数10万強・平均再生5千前後)
更新頻度 : ★★★★  (ほぼ毎日)
バラエティ: ★★★  
プレイ技術: ★★   
長篇完走率: ★★★★  (大体完走)
トーク話術: ★★★  
トーク声質: ★★★  
編集傾向 : 臨場感志向
動画品質 : ★★    (画質720p60)
広告頻度 : ★★★


(2020年追記)

  • 上記の情報はだいぶ古く、特に登録者数は大きく伸びて相違が出ている。また、ここ数年のニコニコ動画の凋落は驚きであった。
  • 評価項目の選び方は今でも通用すると思っている。
  • 最近見ている実況はガッチマンばかりになってしまった。昔は弟者もよく見ていたのだが……。
  • ホラフキンはゲイの色が出過ぎるようになって見なくなった。
  • 柏木べるくらのDead by Daylightへの執着ぶりには目をみはるものがある。

日本語編としたのは英語編も書くつもりだったからだが、未執筆。

  • Markiplierが大作ゲームをやらなくなってしまったのが残念。やらないのかできなくなったのか。実況者は実況の許諾が取れるかどうかで生死が決まる。
    彼の英語は日本人にとって聴き取りやすい。母方が韓国系のハーフなのだそうだが、それも関係しているのだろうか? 他の人に比べたら相対的に楽に聴けるから、ゲーム実況をもっとやってくれたらもっと見るのだが。
  • 代わりにjacksepticeyeがゲーム実況者の正統派として浮上してきた。ラスアス2のフル実況もしていた。でもチャンネル登録数はMarkiplierの方が多い。
    なんか騒いでるだけの安っぽい動画ばかりのYouTuberの方が登録者数を集めていたりするのはYouTubeの謎だが、おそらく思っている以上にYouTubeの視聴者層が若年層に偏っているということだろう。
    この人はアイルランド系の英語で早口でもあるので、聞き取りはあまり楽でない。最近頻度が下がっているが、昔は彼が出だしによく叫んでいた”The top of the morning”はアイルランド方言で「おはようございます」の意。
  • PewDiePieは一時期差別発言で問題になったりしたものの、1億人超の登録者を集めて安泰の感。さりげなくラスアス2の実況もやっている。ただ彼は従来より完走率が低く、今回もフル実況ではない模様。
    登録者数、日本はヒカキンでも1000万人いってないから、英語圏には到底かなわないね。PewDiePieも別に英語のネイティブ・スピーカーではないのだけど……平均的日本人がPewDiePie程度に話せるかと云ったら、まあ無理だから、欧米人がうらやましい。

コードレスアイロン

 筆者は物持ちのいい方で、アイロンは東芝のTA-601Sという1980年代製の骨董品を使い続けていたのだが、先日ついに電源ケーブルが断線して火花が散るようになってしまった。ケーブルだけ取り換えればまだ使うこともできたけれど、まあさすがに買い替えることにした。
 購入したのは同じく東芝のTA-FLW910である。TA-601Sからの30年以上の時の力は大きく、まるで別物のように進歩していたのだが、特に大きな違いと思われるのが、本体に電源ケーブルの付かないコードレス型になっていることである。製品には台座が付属しており、本体をそこにセットしておいてある間、給電される。
 ここでポイントになるのが、コードレスだからといって充電式ではないということである。つまり、加熱されるのは台座に置いてある間だけ。いわゆる蓄熱式であり、アイロンを掛けている間は余熱で熱くなっているだけである。実際にアイロンを掛けてみるとわかるが、アイロンをずっと服に押し当てているということはほとんどなく、アイロンをかけている服をひっくり返したりずらしたりで何かとアイロンから手を離すことが多い。そのたびに台座に戻せば加熱し直せるので、余熱だけでも充分実用になるようである。この発想には感心した。とはいえ、大昔のアイロンは火鉢で加熱して使っていたとのことであり、先祖返りの発想とも云える。
 コードレスアイロンの給電中の最大消費電力は、多くの機種で1400~1200W(一部低価格品は1000W)で大差なく、エネルギー保存の法則により、設定温度に達するまでの時間はほぼ蓄熱量で決まる。つまり、冷めにくいように蓄熱量を大きく設定している機種は温度が上がるのに時間がかかる。温度がすばやく上がる機種はすぐ冷める。一般的な傾向としては、高級機種ほど蓄熱量の設定が大きくなっている。しかしそういうものでも、設定温度に達するのに2分もかからない。
 また昔のTAS-601Sと比べるとTA-FLW910はかなり軽く、1.1kg程度となっているが、これでも今時のアイロンとしては重たい方のようである。シワを伸ばすならやはりある程度の重さは必要である。

 さて、ここからが本題なのだが、Googleで「コードレスアイロン」で検索して出てくる家電系の製品紹介サイトの記事は、質が低いものが多い。そもそもコードレスアイロンが充電式だと勘違いして書かれているものが多いし、立ち上がりが早いと冷めやすいこともわかっていない。また、ハンガーに掛けたまましわ取りする衣類スチーマーと、あくまでアイロンの一種であるスチームアイロンを一緒くたにしているものもある。スチームの噴出の勢いがいいから高性能みたいなことを書いているサイトもあるが、スチームアイロンでそんな使い方をするのは例外的ではないだろうか。重いし。
 要はアフィリエイト目当てでよく知らないものを書き散らしているように見える。筆者にもまだ何回かの実機の使用経験と1日ネットで調べた程度の知識しかないのに、これらのサイトはその知識すら抑えずに記事を書いているのだろうか。あまりにもあてにならない。

『The Last of Us Part II』あらすじとレビュー【ネタバレ】

 2013年に発売されたPS3のゲーム『The Last of Us』の続編。略称はラスアス2。今回はPS4をプラットフォームとしてリリースされた。いわゆるトリプルAタイトル、つまり大作タイトルである。
 前作同様に、YouTubeなどで実況動画が多数アップロードされており、日本の著名実況者では、ガッチマン兄者がフル実況している。英語圏の実況はもっと多い。なお、前作の実況で人気のあったMarkiplierは今回実況していない。
 前作同様、あるいは前作以上に映画的で物語性の強いゲーム。前作は特にシナリオが評価されて有名になった作品だが、本作ではシナリオが賛否両論、評価が割れている。

あらすじ

 先ず話のあらすじをざっくり紹介すると次のようになる。前作の主人公ジョエルとエリーは、ジョエルの弟トミーらが立ち上げた生き残りたちの町、ジャクソンで暮らしていた。エリーはジョエルからギターの弾き方を教わったりして、ぎこちないながらも親子のような付き合いを続けている。
 さて、ある冬の朝、アビーとその恋人オーウェンが引き連れた謎の一団がその街はずれにやってくる。アビーはどうやらジョエルを探しているらしい。そこへたまたまジョエルが見回りにやってきて、そのアビーたちにつかまってしまう。ジョエルに激しい恨みを抱いているらしいアビーは、同じく捕まってしまったエリーの目の前でジョエルを殺す。辛うじて生き残ったエリーは、アビーたちを皆殺しにする復讐の旅に出ることを決意する。トミーも一足先に同じく復讐に出発していたが、エリーを置いて行ったため、トミーを追う形となる。エリーの旅には、バイセクシャルの恋人ディーナが同行することになった。
 一団の身に着けていた制服から、一団がWLFという民兵組織のメンバーであろうと目星をつけたエリーは、WLFの拠点であるシアトルに向かう。シアトルに着いたエリーは、無線を傍受したり、見つけた仲間を拷問したりしてアビーの仲間たちの所在を掴んでいく。仲間たちのうち、ある者は既にトミーが殺していたが、残りの者はエリーが殺した。しかし、ディーナが妊娠しているのがわかったことなどで、結局最大の仇であるアビー本人は見つけられないまま、合流したトミーと共にシアトルを去ることを決める。ところが出発の直前、アビーの突然の襲撃を受ける。
 ここからアビーの過去へと話が戻る。前作のラストで、ジョエルはエリーを救うためにファイアフライを壊滅させたが、アビーはそのとき殺されたファイアフライの免疫学者の娘だった。ファイアフライは免疫の研究を続けられなくなり消滅したが、残ったメンバーの多くはWLFに移った。アビーたちもその一人であった。あるとき、やはり元ファイアフライのオーウェンが、ジョエルがジャクソンにいるという噂を聞きつけた。アビーとオーウェンらがジャクソンにやってきてジョエルを殺したのはそのような経緯であった。ところで、WLFは謎のカルト宗教組織セラファイトと対立しており、度々小競り合いを繰り返している。アビーもそのような戦闘に明け暮れる日々を送っていたのだが、復讐を遂げてしばらくたったある日の戦闘で、ついにセラファイトにつかまってしまう。しかし偶然、セラファイトから逃げ出そうとしていた信者である若い姉弟のヤーラとレブに命を助けられ、二人の脱走に手を貸すことになる。アビーは二人とともに、セラファイトの追手を倒しつつ、オーウェンらが隠れ家のようにしているシアトルの外れにある水族館跡に戻って来る。その後、怪我をしていたヤーラのために手術用具が必要になり、WLFに隠れて感染者の蠢く病院跡からそれらを調達したりする。そうこうするうち、残してきた母親を心配していたレブが、逃げ出してきたセラファイトの村へ突然一人で帰って行ってしまう。アビーとヤーラはそれを止めようとレブを追う。二人がセラファイトの兵を倒しながら、苦労してレブとヤーラの実家に辿り着くと、母親は死んでいた。三人は水族館へ戻ろうとするが、たまたまそのときWLFが村に総攻撃を仕掛けてきていて、三人はWLFの部隊と接触、ヤーラは殺され、せめてレブを守りたいアビーはWLFと対立することになってしまう。アビーとレブはどうにか水族館に戻るが、そこでオーウェンらがエリーに殺されているのを発見する。アビーはまだシアトルにいたエリーのところへ復讐に向かい、エリーやトミー、ディーナらを倒すが、エリーらの命だけは見逃す。
 ここで話の視点がエリーに戻る。エリーは、ディーナとディーナの生んだ子どもと一緒に、郊外の牧場でのんびりと暮らしていた。一見して幸せな生活ではあるが、その実エリーはジョエルが殺される悪夢から逃れられずにいた。そこへトミーが訪ねてきて、アビーとレブがカリフォルニアを旅しているらしい情報を掴んだという。いったんは断ったエリーだが、結局再び復讐の旅に出ることになる。カリフォルニアには人間を捕まえて奴隷にしているならず者たちがいた。エリーもいっとき彼らに捕まってしまうが、機会をとらえて逆転、そのメンバーを脅して尋問し、アビーが彼らのアジトに囚われていることを知る。早速そのアジトに向かったエリーは、彼らを倒しつつ囚人たちを解放、アジトを壊滅に追い込んだあと、海岸の処刑台で虫の息だったアビーとレブも解放する。立ち去ろうとしたアビーに対し、エリーは行かすわけにはいかないといい、二人の決闘が始まる。エリーが2本の指をなくす死闘の末、エリーはアビーを倒すが、命だけは見逃す。アビーとレブはボートで去っていく。エリーは牧場に戻るが、家の中はもぬけの殻。エリーの部屋に残されていた彼女のギターを弾くが、指を失ったのでうまく弾けなかった。

ストーリーレビュー

 さてこの物語に対する評価なのだが、世評の通り、率直に言って理解に苦しむ点があるのは確かである。
 ドラマは主人公の行いの美しさを表現する芸術である。しかし、前作では世界を救う英雄たる美少女であったエリーは、醜くなってしまった。そのようなものをわざわざその続編と銘打った作品として作って見せるのは、悪趣味というものである。素直に解釈するならば、この話においてエリーは悪役であり、主人公はむしろアビーである。
 結局のところ、前作のラストでジョエルがファイアフライを皆殺しにしてエリーを助けたことをどう評価するかが問題である。これについては、同情の余地は大いにあるものの、人類とファイアフライに対して与えた損害の大きさを考えると、正しくない行為であったと考えられる。もしエリーが、自分が死んでしまうならそんな手術は受けたくないと考えていたのなら、いくら功利主義的結論はそうであっても、人道・人権上手術は許されないので、そこから救出することは正しいという立論が可能かも知れないところであったが、エリーにそういう考えはなかったことが本作ではっきり示されていた。したがって、被害者の遺族の一人であるアビーがジョエルを殺すことは、司法制度による処罰が期待できないことも考慮すると、許される行為というべきである。すると、エリーとトミーにはそれに対して復讐する権利はないことになる。つまりこの話は出だしから無理筋なのである。厳密に云うと、アビーの身元は初め一応隠されていたのだが、ジョエルが何をした人間かは前作をプレイしていればわかっていることであり、見え透いていた。
 ただし、本作のストーリーを見ていると、ジョエルの行為に対する作者の評価は異なっている可能性もある。例えばプロローグでトミーはジョエルのしたことに賛同している。もしジョエルのしたことは全く正しいと考えるなら、エリーとトミーの復讐に正当性が出て来るので、話が変わってくる可能性がありそうである。だが、そういう立場だとすると、今度はなぜあんなにアビー編を延々とやったのかがわからなくなる。どちらにも正当性があると云いたいのだろうか。しかしジョエルが正しいならアビーは正しくない。ジョエルが正しくないならアビーは正しい。どちらかなのであって、どちらになるはずなのか、作者には話の流れをきちんと計画する責任がある。
 筆者としては、ジョエルの行為が正しいものだったとの立場には賛成しかねる。

 前作はジョエルのエリーに対する愛情が描かれる物語だったと考えることもできるので、続編たる本作は、エリーのジョエルに対する愛情を描く作品として企画されたのかも知れない。しかし、エリーがジョエルに対する愛で行動しているというだけでは、主人公にふさわしい正しさを備えていることにならない。
 愛ある行為が美しいかという点はシナリオ制作においてよく誤解される。基本的な考え方としては、美しい行為とは倫理的に云うところの不完全義務の遂行、つまり犠牲を伴うような正しい行為である必要があり、愛情とそれに基づく行為が美しく見えるのは、その愛情がそのような義務の遂行を促す原因となっている場合に限る。そしてまた、そのような義務の遂行を促す原因であれば、別に愛情でなくても何でも美しく見えるのである。ただ、倫理的行為が他者のためになる行為という側面を持っている必要がある関係上、愛情はそのような原因として制作上使いやすいところはある。
 上述のように、本作では、そもそもエリーの行為は正しくなかった。

 本作のシナリオが駄作かというとそうとも言えない。前作のレビューでも書いたが、もともとこの作者の持ち味は、物語の構成よりもキャラクター・人間関係の描写の方にある。エリーやディーナがLGBTであるという設定は世評が芳しくないようであり、筆者も何かとってつけたような設定だなとは感じたものの、作者がそういう新しい人間関係の描写にチャレンジしようとしたものではないかとも思われる。ただ、あまり成功してはいなかったのも確かであろう。また、アビー編・エリー編いずれにも三角関係のような人間関係が設定されていたが、こちらもあまり効果的ではなかった。しかしそれでも、ゲームのシナリオとしては本作のシナリオは依然としてレベルが高い。昨今のゲームのシナリオが、形式的なお使いの繰り返しの域を出るものでないものが大半である中、本作のシナリオは充分に鑑賞に値する。

ひぐらし近況

 最近ひぐらし関係のページ(特に真相を説明したもの)のアクセス数が徐々に伸びてきている。
 ひぐらしについては最近新展開があるようで、アニメの第2期分が制作され7月から放送される。また、それにあわせて旧シリーズの再放送が始まっているとのこと。直接にはこの影響と思われる。もし結末まで見ていないうちにあのページを読んでしまったなら、気の毒なことである。
 また、Steam版がついに祭囃し編に到達。それに合わせて第一章の鬼隠し編が無料公開された。
 果たして新しい世代による第二次ブームがやって来るのか? あいにくこういう社会情勢だが、落ち着いたら白川郷のインバウンド人気はますます過熱するかも知れぬ。
 それにしても、巡礼に行ったときにも疑問だったが、果たして地元ではこの作品についてどう思っているのだろうか。物語の内容からすると、諸手を挙げて聖地としてプロモーションするというのもなかなかなさそうではあるが、確か白川の観光協会などに行っても関連するものは何も置いてなかったと思う。

2020年

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 いやはや去年は新年のあいさつしか更新がなかった。そもそも去年は鑑賞した映画ゼロ、ドラマもゼロ、ゲームもゼロ、マンガ・小説もほぼゼロ。なにもネタがない。
 新海誠作品くらいは見ればよかったかも知れないが……近頃は映画館に時間に合わせて行くというだけでどうにも敷居が高い。
 何か動画サービスにでも加入した方がよさそうだ。

2019年

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
 ということくらいしか書くことがなくなると……と以前書いたが、まあなんとか閉鎖は免れているもののの、更新のネタが不足しているのは相変わらずである。昨年は時かけの放映があったのでまだましであった。
 最近はまったく映画も観ていない。一応、Amazon Primeには入っているので最低限のものはそちらで観られるのだが、どうもその気がおきない。その代わりYouTubeとAmazon Musicはよく利用している。
 昨今のトピックスとしては、このページのドメインjpn.phを個人で無償でホストして頂いている@agoraincさんが失業され運営がピンチに陥っているという話がある。ひょっとするとドメイン名を変更しなければならなくなるかも知れない。

 仕事面では、最近Web方面から離れ、C++プログラマとしてゴミコードのお守りをさせられており、どうも充実しているとは言えない状況である。ダメな会社ってこういう風なんだぁというのはずいぶんよく勉強できたが、もうそろそろそれも充分かなというところ。ただ最近のC++言語は昔とは大変貌を遂げており、いろいろ尖っていてある種の面白さがあるので、その辺りが活用できる会社はないものかと思っている。でもGoogleもMozillaもC++のフル機能使わないんだよねえ、Googleなんて例外すら使うなということになってるし。
 最近ぼちぼちRustの勉強もしていて、これはC++プログラマがこうだったらいいのにと思うような所を改善したバージョンのC++、という感じの言語である。データの所有権を型システムに組み込んでいちいちチェックするというのがウリだが、ぱっと見なんかすごく面倒そう。なんしてもこの言語を実際に使う場面というのが、Firefoxの開発以外にあまり思いつかない。WebAssemblyに対応しているとの話ではあるが、わざわざRustで書くほどの大量コードをブラウザで走らせるようになるんだろうか。なんか遅そう。

金曜ロードショー

 2015年の放映のときに書いたのと今回も感想は同じ、とにかく女子のセリフがいい。また、「ロレインから見たバックトゥザフューチャー」は、改めて我ながら悪くない洞察であった。時計台、というかからくり時計がモチーフになってるのもこれだろう。
 データ放送のクイズは結構な難問ぞろい。とはいえもちろん、答えが出てから解答できるので、解答しないまま時間が過ぎてしまうことさえなければ得点すること自体は難しくなかった。
 本編については、今回もノーカット放送ではなく、ちょこちょことつままれてはいたようである。例によってエンドロールもほぼカットであった。
追記: 視聴率は10.1%とほどほどの数字であった。2007年は12.2%、2008年10.0%(以上フジテレビ時代)、2009年7.8%(ここから日テレ)、前回は13.4%。

 残念ながら当サイトへのアクセスは大幅ダウン、最高同時アクセス数は300足らずであった。まあ更新してないからね。

真琴&千昭

 さすが総作監。まごうかたなき真琴と千昭ですな。

ナイスの日

 今年は『未来のミライ』が公開される細田守イヤーとあって、細田守関係のプロモーションが盛んにおこなわれている年となっているようだ。それに伴い、『時をかける少女』に関するプロモーションも若干行われている模様。特設サイトはいつできたのか公式サイトなのか詳細は何もわからないが、最近公式に作られたとすれば、10年以上経過した作品としては異例のプッシュと云えよう。でもなんで表示されている日付が4月13日なのか? と思ったら、これは新作のカウントダウンのようだ。でも封切の日とは少し日が合わないな。(追記: 金曜ロードショーの連動企画であった)
 また、7/20に金曜ロードショーで放映されるという話である。またも7/13の放映は実現せず。
 時かけを含めてAaMoで展示会をやるらしいというので、久しぶりにちょっと出かけてみてもいいかなと思わないでもないが、近年の細田守のイベントは込み過ぎだからなあ。これは細田守イヤーのたびに言っている気がする。でも有料の展示会だし、新作を観ないで行っても意味がないかもしれない。

 筆者自身は新作については信頼できる批評が出てきてから見に行くかどうか決めようと思っている。元々、映画を封切と同時に見に行くような人間ではないのだが。時かけも封切のときは観ていない。
 それにしても、時かけの頃とはだいぶスタッフも変わったものである。主だったところで時かけから変わっていないのは監督以外には作画監督とプロデューサーくらいではないか。当然キャストは全然違うし、果たして同系統の作品と見なしていいものか。
 今も個人的にTwitterでフォローしている公式ブログの中の人も、最近細田守に関連する仕事はあまりしていないようである。元々時かけの公式ガイドブックのライターの一人だった人である。

『ファークライ5』(ネタバレ)

 PS4版にてプレイ。

 おそらくGTAシリーズに次いで世界的に有名なオープンワールドFPS。筆者もシリーズ第三作からPS3で遊んできており、これが目当てでPS4も購入。発売後さっそくプレイした次第。
 このブログはストーリーの研究が目的なのでゲームとしての感想は簡単に済ますが、前作と比べると技術的には漸進的な進歩がみられるものの、ゲームの印象はやや薄味になった感がある。最大の変更点として、これまでのシリーズでは、far cry(遥か遠く)という題名通り、第三作以降エキゾチックなアジア地域が舞台になっていたのが、今作では米国が舞台となったことがあり、ティーンズのプレーヤーにとっては舞台がどこでも同じかもしれないが、オジサンプレーヤーにとってはこれが相対的にだいぶ陳腐に感じられる。製作元のカナダUbisoftはこれまで大作ゲームの製作費の高騰を懸念する発言をしてきており、ひょっとすると取材予算の削減を図った結果なのかもしれない。とはいえ、前作・前々作ほどの出来ではないというだけで、未だ楽しめるゲームではあり続けている。
 さてストーリーだが、梗概を紹介するならば次のようになる。主人公はアメリカモンタナ州の新米保安官補で、近く来る終末に備えることを主張するカルト教団エデンズ・ゲートの教祖「ファーザー」ことジョセフ・シードに対して出ている逮捕状を執行するため、同僚3人とともに彼がヘリで教団の本拠地に着陸するところから話が始まる。この土地は教団に支配されていて、政府は事実上機能していない。信者たちに囲まれながらもファーザーを逮捕し、ヘリに乗せて連行しようとしたところ、どういうわけかそのヘリが墜落。同僚3人はその混乱のなかで信者たちに連れ去られ、各々ファーザーが家族と呼ぶジョン、ジョイコブ、フェイス(苗字は全員シード)の3人の教団幹部のもとに監禁されてしまう。一方、主人公は教団の支配に抵抗する地元の人物の一人ダッチに助けられる。ダッチは、この地では通信が機能していないので助けを呼ぶことはできないことを告げたうえで、この地を教団の支配から解放して同僚を取り戻すよう勧める。かくして主人公は、教団との闘争を繰り広げることになるのであった。信者は武装して各地で資源や拠点を支配し、抵抗する地元の人間たちを罪人と呼んで拉致し、麻薬を使ったり(フェイス)、仲間同士で戦わせたり(ジェイコブ)、拷問したり(ジョン)することで洗脳していた。主人公は抵抗勢力の仲間を増やしつつ、教団の拠点を次々と制圧していく。時折、幹部らに拉致され洗脳されそうになりつつもなんとか逃げ出すということを繰り返しつつ、ついに三人の幹部を倒し、同僚を奪還する。次いで本来の目的であった「ファーザー」の逮捕に向かい、抵抗する信者たちを制圧。逮捕に成功するが、その直後、同地に核爆弾が投下される。からくも生き残った主人公は、私が正しかったと嘯くファーザーとともに2人で核戦争後の世界を生きることになるのだった。
 まず一般論として、敵がゾンビでもロボットでもなく人間であるタイプのFPSの場合は、人間を殺すことに正当な目的を与えておかないと、プレーヤーが敵を殺すたびに罪悪感を感じることになってしまうし、なにより一般に発売できないゲームになってしまうので、それがこの手のゲームにおけるストーリーの第一の存在意義となる。つまり敵が極悪人である必要かあるわけで、ファークライ3ではサイコパスの島の支配者、4では小国の独裁者だったのが、本作ではカルト教団の教祖に設定されているわけである。またある程度ストーリーに長さを持たせるために、複数の仲間を順次救出していくというのが目的になっているのもシリーズの定番通りである。
 その上での今回のストーリーの新機軸は、主人公が間違っていたという結末を用意するという点であり、これはおそらくUndertaleあたりの影響だろうかと思わないでもないのだが、残念ながら成功したとは云えない。第一に、そのような結論は前述したストーリーの存在意義に反するので、プレーヤーがゲームを楽しむこと自体ができなくなってしまう。これは特に2周目以降のプレイにおいて問題となる。Undertale の場合は敵を殺さないプレイが可能なように(そしてそれこそが本番であるように)作られていたが、このゲームではそうでなく、プレイの楽しさに水を差すだけである。第二に、そもそも核戦争を正しく予言したからといって教団のしてきた残虐行為が十分に正当化されるとは思えず、主人公の行為が本当に間違っていたのか疑問である。第三に、これがストーリーテリングの技術の上ではもっとも重要な過ちだと思うが、教団を倒すというのは主人公、というかシナリオライターが勝手に決めたのであってプレーヤーが決めたのではない感じになっている。形の上では、話の冒頭で、ジョセフを逮捕しないという選択肢を採ることができるように作られているのだが、これは本当に形の上だけの話で、実際そのような選択をするとゲームを遊べないまま終わってしまうようになっている。そもそも、逮捕するのが正しいのかどうかの情報が与えられないまま選択の機会だけ提供しても無意味である。こういう場合の正しいやり方は、ジョセフ・シードを逮捕するのが正しいという誤った情報を与えたうえで、話のターニングポイントでそれをひっくり返すことである。これをアナグノーリシスという。このようにして初めて、プレーヤーは自分の考えが誤っていたことに動揺するのである。同じ状況に立たされればプレーヤーも主人公と同じ過ちを犯すかもしれないというおそれを感じるからである。強いて今回の新機軸にプラスの評価点を探すなら、人を殺すことに罪悪感を感じるということで、いくらか倫理的なゲームに近づいたとは云えるのかもしれない。
 また本作では、ストーリーミッションと銘打ったメインストーリーを進めるはずのミッションに、真の意味で本題のストーリーに関係するとは思えないものが多かった。つまりストーリーミッションであってもサイドミッションのようなものが多かった。この結果、ストーリーがだいぶ散漫な印象になった。多くのストーリーミッションが仲間を集めることに関係していたが、アリストテレスが言うように、その部分がなくてもそのあとのストーリーが成り立つならば、その部分はストーリーにとって本質的ではない。ポイント稼ぎを別にすれば、仲間を集めなくてもプレイがうまければ拠点を制圧して幹部を倒すことは可能である(幹部との対決は仲間を引き連れていけない仕様なのでなおさらである)。本作ではAIで仲間と戦えるという機能が入ったのでこのようなミッションが多数入ることになったと思われるが、サイドミッション扱いとすべきであった。